22年目

 

開業して22年目に入りました。

これまで来て頂いた全ての方のおかげです。心より感謝します。

 

小さい頃から一つのことが長続きしない性格でしたが、この仕事には飽きることがなく、続けるほどに面白さが増していくばかりです。

新たな感覚や理解に出会う瞬間を楽しんだり、来てくださる方々の良い変化やご報告を喜んだり。

そんな毎日を過ごせるのは皆さんのおかげです。

 

この仕事を通して、僕の心身の状態や考え方も大きく変わってきました。

そして、変われて良かった、変わる方法があって良かったと実感しています。

 

小さな変化に注意を払い、気のせいにせず、それを大事にしていくと、はっきりとした違いとして分かるようになります。

繰り返しを厭わず、落ち着いて、その時にできることを続け、心身の準備が整うのを待つことができたら、いずれ変化が訪れます。

 

心身ともに楽になっていかれるよう、お手伝いができたら嬉しいです。

これからもまた、少しでも理解を深め、それを皆さんと共有し、喜んで頂けるように成長したいと思っています。

22年目もよろしくお願いします。

 

頭と顔の解放

 

日常生活の中で、気づかないうちに身体のさまざまな部分が緊張し、固くなるのですが、頭や顔にも同じことが起きています。

特に目や耳、顎や口などの感覚器官に関する緊張は、心身の状態に大きな影響を与えます。

その分、ほんの少しでも解放することができたら、大きな変化につながるのです。

 

緊張が和らぎ、解放された頭と顔は、いわゆる良い姿勢といわれるような位置に、楽に収まっていきます。

そんな時は、頭の重さを筋力で頑張って支えている感覚は無くなり、首や肩も軽くなるでしょう。

同時に、呼吸が楽になる、姿勢が変わる、軽く歩けるといった変化にもつながります。

 

これまで意識したことのない部分に注意を払ってみたり、感じ方を変えてみること。

また、解剖学的な理解を深め、イメージを変えてみること。

そんな試みを通して、解放感のある、軽やかな頭や顔と、それにつながる身体に出会うことができるのです。

 

次回の体験会では、頭と顔の解放を促す問いかけを練習してみます。

ご自分で身体を整える手段の一つに加えて頂けたらと思っています。

 

空間を感じる

 

空間の感じ方が変わると、身体の動き方や姿勢、呼吸が変化します。

 

満員電車から降り、解放された時のことを思い出してみてください。

周りに十分なスペースを感じられると、息を深くつき、身体の力を抜くことができますね。

 

または、広大な自然の風景を前にする時はいかがでしょうか。

心身が解放され、大きくなっていくような感覚を体験されているのではないかと思います。

 

私達は、普段の社会生活の中で、さまざまな理由から、気づかないうちに身体を小さくし、緊張した状態で生きてしまうことが多いです。

そんな身体に、本来の伸びやかな動きや、楽な呼吸を思い出してもらう方法の1つが、身体の周りや内側に空間を感じてみることです。

 

身体の内外の空間に、意識を向ける機会を持ってみてください。

繰り返していくうちに、少しずつ、心身が楽になっていくのが感じられるのではないかと思います。

 

10/26の体験会でも、いくつかのパターンで空間を意識する練習をしてみます。

そこから生まれる違いに気づいてみてください。

 

重力を感じる

 

「身体が適切に機能し始めると、重力が身体の中を流れ、身体は自然に、自らを癒す」

ロルフィングを始めた、アイダ・ロルフ女史の言葉です。

 

ロルファーは、重力がうまく流れるように身体を整える手助けをします。

重力に対抗するのではなく、仲良くやっていけるような「重力と調和した身体」へと変化を促すのです。

すると、身体は、頑張り続けることをやめ、楽に動けるように変わり始めます。

 

普段、意識することはなくても、常に身体が影響を受けている重力。

そんな重力について考え、感じることが、次回9/28(日)アスニー山科での体験会のテーマです。

目には見えない、その力を感じることで起きる、心身の変化を体験してみましょう。

 

肩の力を抜く

 

うまく肩の力が抜けないと悩んでいる方は、力を抜こうと頑張りすぎて、逆に力が入ってしまうことが多いです。

そんな方には、「肩の力を抜く」を「肩に力が入っていない状態に変わる」と言いかえ、力を抜こうと考えない方法が有効かもしれません。

リラックスした身体へと変わり、肩の力を抜いた感覚を掴んでいくのです。

 

緊張の和らいだ身体感覚や気持ちに慣れ、それを選択すること。

肩や肋骨、背骨などの解剖学的理解を正確にすること。

肩に力が入る癖に気づき、それを減らしていくこと。

肩に力を入れる必要のない、身体のバランス、姿勢を手にすること。

 

そんなことをロルフィングのセッションでは繰り返し練習し、感覚を掴んでいきます。

そして、気持ちが穏やかな時は、身体の緊張が和らぎ、結果として肩の力が抜けるという仕組みを、日常で使えるようになるでしょう。

 

8/23(土)山科の体験会でも、いくつかの方法をご紹介します。

リラックスして日々を過ごすヒントにして頂けたら嬉しいです。

 

21年目

 

この3月で、開業21年目に入りました。

これまで来て頂いた方々のおかげだと、改めて感謝しています。

 

多くの方とロルフィングのセッションを積み重ねてきたことで、今ある感覚や理解が得られたのだと思うと、本当にありがたいの一言しかありません。

ロルフィングの、そして心身の仕組みの理解を、少しずつ深めてきたように思います。

結果として、言葉の使い方、身体への触れ方など、当初とは大分変わってきました。

 

人は、心地良い身体で、穏やかに、楽しく生きることが選択できる。

落ち着いて、少しの変化を積み重ねていくことで、ちゃんと変わっていける。

 

それを当たり前だと思えていることが、20年継続した大きな恩恵だと思います。

そして、この感じが広がったら良い方向だ、という自分なりの感覚が育ち、それを信頼していることも。

言葉で知ることや、考えることだけでは手にできなかったものだなと実感しています。

 

この理解を皆さんと共有しながら、心身ともに健康になるお手伝いができると嬉しいです。

21年目も、よろしくお願いします。

 

静かになる

 

先日、「ぐるぐるそだつながや」さんで、ドキュメンタリー映画「ガイアシンフォニー(地球交響曲)」シリーズ上映会の最後となる、第八番を観てきました。

いつ観ても、何番を観ても、心が深いところから解放され、何とも言えない静寂と心地良さが広がります。

 

長野に住み、ロルフィングを学びにアメリカへ行こうか、やめようかと迷っていた25年前。

その頃に手にした、映画「ガイアシンフォニー」の監督・龍村さんのエッセイ、そして映画に登場する魅力的な人たちの言葉は、ロルフィングを学ぶ決心をする上で、大きな助けとなりました。

 

穏やかな空気をまとって、優しさや思いやりを持つこと、心で感じることの大切さを語り、自然や心身の持つ力を信頼して生きる登場人物たちの姿に、強く心を惹かれました。

あんな在り方に近づきたい、そして、それはどんな感覚で生きることなのか、感じられるようになりたいと思ったのです。

 

不安から生まれる、否定的な思いに負けそうになった時は、本を読み返し、登場人物の言葉を反芻し、自分の心が静まるのを待ち、ロルフィングを学ぶ思いを保ちました。

そんなことを繰り返し…今に至ります。

当時の僕にとって、頭の中に響いてくる、不安をあおる騒がしい声を静かにする方法が、彼らの言葉を読み、聴くことでした。

 

静かになることの大切さ。

今回の上映会のシリーズに参加し、それを再認識しました。

 

人には、それぞれ、気持ちが落ち着き、リラックスできる何かがあると思います。

それらを通して、心身を静かにし、コンディションを整えることは、本当に大切だと思います。

本来の、健全な自分を思い出すために。

 

ロルフィングもまた、本来の、落ち着いた自分を取り戻す機会となり得るものです。

身体が重力と調和し、緊張が和らぐと、深く呼吸できる身体になります。

そんな時は、不安をあおるような内面の声が静まるのです。

 

「頭がすっきりしてクリアになる」

「気持ちが落ち着き、軽くなる」

「楽しい気分になる」

ロルフィングのセッション後には、このような心理的な変化に関する感想をよくお聞きします。

 

不安や怖れ、不満や憤りの声は、世の中にも、自分の心の中にも、大きく響いてきます。

注意していないと、自動的に、それを聞いて受け入れ、翻弄されて生きてしまいがちです。

 

そういった声ではなく、本来の僕らの中にある、穏やかで、思いやりのある声を聞き、そちらを選択する。

そんな習慣を身につける必要があるのではないかと思います。

 

ロルフィングのセッションでは、それを訓練していることにもなっています。

静かになり、落ち着きを感じ、それから動いてみる、考えてみる、ということを練習するからです。

それが、身体の緊張を和らげ、動きや姿勢の改善をもたらすことも、感じられるようになるでしょう。

 

多くの方が、当初とは全く違う優しい表情になり、緊張が和らいだ身体で立ち、歩かれるようになっていきます。

すぐに、はっきりと実感される場合も、ゆっくり理解される場合もあります。

それでも、確実に変化されます。

 

静かになること。

自分を静かにすること。

 

これは、心身の健康に、本当に大きな力を与えてくれます。

ぜひ、ご一緒に練習しましょう。

 

Do good anyway (とにかく良いことをしよう)

 

ロルフィングを学ぶ以前のことです。

1日5〜6時間の労働で、食事と宿泊が提供されるWWOOFという仕組みを使い、ニュージーランドの有機農場に滞在していたことがあります。

 

僕がお世話になった農場は、持続可能な農と生活をデザインする「パーマカルチャー」を実践する場として有名な、とても美しく、素晴らしい農場でした。

その農場を、今は亡き夫とともに始めた女性が来日しました。

 

広大な農場の敷地内には、さまざまな植物や樹木、果樹が植えられ、鶏や豚、乳牛が飼われていました。

美しく、機能的な自作の家、納屋やトイレ、雨水を貯めて使う仕組みや、池に畑に…

今思い出しても、あの広い場所に、よくあれだけのものを作り上げたなと心から尊敬します。

 

オーナー夫妻の優しさもあり、美しい自然の中で、美味しい食事と、初めて経験する多彩な作業を、ただただ楽しむ毎日でした。

仕事が終わり、みんなで飲む自家製の黒ビールの味は最高で、あれ以上のビールを飲んだことはありません。

 

さまざまな思い出の中がありますが、りんご、桃、パッションフルーツ、イチヂクなどの果樹の手入れをしている時、オーナーの男性に怒られたことはよく覚えています。

完熟のフルーツが実っているのに、なぜ食べないのか、ちゃんと見ろ、と。

 

自給自足を目指すスタイルとはいえ、手伝ってるだけの僕が、1番美味しそうな果物を、それも作業中に食べていいのかと、当初は驚きました。

と同時に、日本から来ている期間限定の僕のことも、身内と同じように大切に扱ってくれることが嬉しくもありました。

 

完熟の新鮮なフルーツ。こんなに美味しいのかと感動しました。

それからは、見過ごして怒られないようにと、食べ頃の果物を探しては、食べ続けるのに忙しくなりましたが。

 

そんなある日、2人の親しい友人が亡くなる事故があり、その彼を偲んで木を植えるセレモニーをしました。

そこで、彼女が朗読した詩の中にあったのが、Do good anyway (とにかく良いことをしよう)というフレーズです。

 

それが心に残り、しばらくその言葉について考え続けていた記憶があります。

その時、そういった思いが、彼らがこの場所で、人に、周りに思いやりを持って行動できる理由なのかと分かった気がしました。

そうありたいなと思いました。

 

二十数年ぶりに京都で彼女に会えるとなった時、ずっと忘れていた、詩を朗読するあの時の姿と、そのフレーズが急に思い出されました。

そして、忘れていたように思えても、あの時の経験や思いは心の中に生き続けていて、今の僕に影響を与えていることも分かったのです。

 

僕が農場を去る日、恒例行事である苗木を植えた時のことも思い出しました。

その木が元気に大きく育っているのを想像して、なんとも嬉しい気持ちになりながら、変わらず柔和で穏やかな彼女と、当時の写真を懐かしく見る時間を過ごせました。

 

隙間(すきま)、空間のある身体

 

「風がすっと通る感じ」

「身体に隙間が感じられ、楽に呼吸できる」

「空間が広がり、身体が軽くなった」

 

ロルフィングのセッションで、身体が変化した後の、多くの方に共通する感想です。

楽に、心地よく生きている時の身体感覚のひとつだと思います。

 

風通しのよい身体、スペースや隙間のある身体をイメージすることで、身体に変化を促すことができます。

ロルフィングを受けられているかたが、上手くイメージすることができた時、ロルファー側の僕は、風の通る感覚や、隙間や空間、スペースが広がる感覚を同時に感じ、身体が変わったことが分かります。

 

ロルフィングのセッションでは、その切り替わった時に、その変化をお伝えし、ご自身で、どう身体が変わっているかを感じ、確認できる時間を取るようにしています。

イメージが変わることや、感じ方が変化することで、実際に身体が変化することを実感して頂きたいからです。

 

「こんなことで変わるのですか?」

初めのうちは、皆さん半信半疑です。

 

ロルフィングのセッションに慣れている方々には、普通のことになっているでしょう。

どなたでもできるようになると思います。

少し、コツをつかむ練習が要るかもしれませんが。

 

姿勢や動き方が変わると、感じ方や浮かぶイメージが変わります。

それと同様に、感じ方や浮かぶイメージ、知覚が変化すると、姿勢や動き方が変わります。

この仕組みを使って、心地の良い身体に変わっていくことができます。

 

隙間のある、風通しのよい身体。

広々とした空間を感じられる身体。

 

そんな感覚が広がる時は、緊張が和らぎ、楽な呼吸が感じられるはずです。

そして、しばらく、もしくは長らく忘れていた、穏やかさや安らぎ、軽やかさや自由さの感覚がよみがえってくることでしょう。

 

声とロルフィング

 

先日、京都の金剛能楽堂で開催された「狂言の会」を観に行きました。

狂言のお稽古に役立てたいという思いもあって、ロルフィングを受けて下さるようになったお二人が出演される発表会です。

 

身体全体のバランスを調整し、本来の、楽に動ける身体を目指すロルフィング。

それは、身体を使って表現する狂言などのパフォーマンス向上に役立ち、怪我をするリスクも下げてくれると思います。

 

ロルフィングで、すり足をはじめとする所作がやり易くなること。

視野が広くなったり、落ち着いて演じられるようになっていること。

そんなコメントを頂いてます。

 

それから声。これが大きく変化するのです。

舞台が近くなると、スムーズに、気持ちよく声が出るようにと、メンテナンスも兼ねてロルフィングに来て下さります。

 

セッション後は、声の出どころが変わり、身体全体から出るような、通りの良い感じになります。

また、抑えめに話されても全身に反響するような大きな声に変わるので、はっきり違いを感じられます。

 

首や肩、胸や喉の辺りに緊張があり、固くなっている時は、声が出にくくなりがち。

それが、身体全体のバランスや姿勢が良くなり、緊張していた部分が柔らかくことで、声が出やすい状態になります。

 

それに加えて、身体を硬くしていることに気づき、それを解放する練習をすること。

リラックスした身体の状態を選択する練習をすること。

これらもまた、緊張の和らいだ、声が出やすい身体を手にするのに大きな助けとなります。

 

そして、こういった練習は、肩の力を抜き、楽に呼吸し、リラックスして動ける身体に変わることにつながっていきます。

繰り返していくと、穏やかで、落ち着きのある心身への変化を感じられることでしょう。

 

狂言の上達に、そして日常生活にロルフィングが役立っているというお話を聞かせて頂けるのは、やはり嬉しいことです。

日々の出来事を、軽やかに、穏やかに、そして楽しく経験するお手伝いができたら良いなと思っています。

 

「この声でのお稽古は楽しみだ」

「この心身の感覚をもって舞台に上がりたい」

お二人はいつも、にこやかな表情でセッションルームを後にされます。

 

にこやかに舞台で演じるお二人の大きな声と、堂々とした姿に心を動かされながら、笑いのある、明るい狂言の世界を楽しむことができました。

狂言に興味のある方はぜひ。

いつもとは違った非日常の空間で、明るい笑いの世界の中で、心が解放されます。