Do good anyway (とにかく良いことをしよう)

 

ロルフィングを学ぶ以前のことです。

1日5〜6時間の労働で、食事と宿泊が提供されるWWOOFという仕組みを使い、ニュージーランドの有機農場に滞在していたことがあります。

 

僕がお世話になった農場は、持続可能な農と生活をデザインする「パーマカルチャー」を実践する場として有名な、とても美しく、素晴らしい農場でした。

その農場を、今は亡き夫とともに始めた女性が来日しました。

 

広大な農場の敷地内には、さまざまな植物や樹木、果樹が植えられ、鶏や豚、乳牛が飼われていました。

美しく、機能的な自作の家、納屋やトイレ、雨水を貯めて使う仕組みや、池に畑に…

今思い出しても、あの広い場所に、よくあれだけのものを作り上げたなと心から尊敬します。

 

オーナー夫妻の優しさもあり、美しい自然の中で、美味しい食事と、初めて経験する多彩な作業を、ただただ楽しむ毎日でした。

仕事が終わり、みんなで飲む自家製の黒ビールの味は最高で、あれ以上のビールを飲んだことはありません。

 

さまざまな思い出の中がありますが、りんご、桃、パッションフルーツ、イチヂクなどの果樹の手入れをしている時、オーナーの男性に怒られたことはよく覚えています。

完熟のフルーツが実っているのに、なぜ食べないのか、ちゃんと見ろ、と。

 

自給自足を目指すスタイルとはいえ、手伝ってるだけの僕が、1番美味しそうな果物を、それも作業中に食べていいのかと、当初は驚きました。

と同時に、日本から来ている期間限定の僕のことも、身内と同じように大切に扱ってくれることが嬉しくもありました。

 

完熟の新鮮なフルーツ。こんなに美味しいのかと感動しました。

それからは、見過ごして怒られないようにと、食べ頃の果物を探しては、食べ続けるのに忙しくなりましたが。

 

そんなある日、2人の親しい友人が亡くなる事故があり、その彼を偲んで木を植えるセレモニーをしました。

そこで、彼女が朗読した詩の中にあったのが、Do good anyway (とにかく良いことをしよう)というフレーズです。

 

それが心に残り、しばらくその言葉について考え続けていた記憶があります。

その時、そういった思いが、彼らがこの場所で、人に、周りに思いやりを持って行動できる理由なのかと分かった気がしました。

そうありたいなと思いました。

 

二十数年ぶりに京都で彼女に会えるとなった時、ずっと忘れていた、詩を朗読するあの時の姿と、そのフレーズが急に思い出されました。

そして、忘れていたように思えても、あの時の経験や思いは心の中に生き続けていて、今の僕に影響を与えていることも分かったのです。

 

僕が農場を去る日、恒例行事である苗木を植えた時のことも思い出しました。

その木が元気に大きく育っているのを想像して、なんとも嬉しい気持ちになりながら、変わらず柔和で穏やかな彼女と、当時の写真を懐かしく見る時間を過ごせました。

 

隙間(すきま)、空間のある身体

 

「風がすっと通る感じ」

「身体に隙間が感じられ、楽に呼吸できる」

「空間が広がり、身体が軽くなった」

 

ロルフィングのセッションで、身体が変化した後の、多くの方に共通する感想です。

楽に、心地よく生きている時の身体感覚のひとつだと思います。

 

風通しのよい身体、スペースや隙間のある身体をイメージすることで、身体に変化を促すことができます。

ロルフィングを受けられているかたが、上手くイメージすることができた時、ロルファー側の僕は、風の通る感覚や、隙間や空間、スペースが広がる感覚を同時に感じ、身体が変わったことが分かります。

 

ロルフィングのセッションでは、その切り替わった時に、その変化をお伝えし、ご自身で、どう身体が変わっているかを感じ、確認できる時間を取るようにしています。

イメージが変わることや、感じ方が変化することで、実際に身体が変化することを実感して頂きたいからです。

 

「こんなことで変わるのですか?」

初めのうちは、皆さん半信半疑です。

 

ロルフィングのセッションに慣れている方々には、普通のことになっているでしょう。

どなたでもできるようになると思います。

少し、コツをつかむ練習が要るかもしれませんが。

 

姿勢や動き方が変わると、感じ方や浮かぶイメージが変わります。

それと同様に、感じ方や浮かぶイメージ、知覚が変化すると、姿勢や動き方が変わります。

この仕組みを使って、心地の良い身体に変わっていくことができます。

 

隙間のある、風通しのよい身体。

広々とした空間を感じられる身体。

 

そんな感覚が広がる時は、緊張が和らぎ、楽な呼吸が感じられるはずです。

そして、しばらく、もしくは長らく忘れていた、穏やかさや安らぎ、軽やかさや自由さの感覚がよみがえってくることでしょう。

 

声とロルフィング

 

先日、京都の金剛能楽堂で開催された「狂言の会」を観に行きました。

狂言のお稽古に役立てたいという思いもあって、ロルフィングを受けて下さるようになったお二人が出演される発表会です。

 

身体全体のバランスを調整し、本来の、楽に動ける身体を目指すロルフィング。

それは、身体を使って表現する狂言などのパフォーマンス向上に役立ち、怪我をするリスクも下げてくれると思います。

 

ロルフィングで、すり足をはじめとする所作がやり易くなること。

視野が広くなったり、落ち着いて演じられるようになっていること。

そんなコメントを頂いてます。

 

それから声。これが大きく変化するのです。

舞台が近くなると、スムーズに、気持ちよく声が出るようにと、メンテナンスも兼ねてロルフィングに来て下さります。

 

セッション後は、声の出どころが変わり、身体全体から出るような、通りの良い感じになります。

また、抑えめに話されても全身に反響するような大きな声に変わるので、はっきり違いを感じられます。

 

首や肩、胸や喉の辺りに緊張があり、固くなっている時は、声が出にくくなりがち。

それが、身体全体のバランスや姿勢が良くなり、緊張していた部分が柔らかくことで、声が出やすい状態になります。

 

それに加えて、身体を硬くしていることに気づき、それを解放する練習をすること。

リラックスした身体の状態を選択する練習をすること。

これらもまた、緊張の和らいだ、声が出やすい身体を手にするのに大きな助けとなります。

 

そして、こういった練習は、肩の力を抜き、楽に呼吸し、リラックスして動ける身体に変わることにつながっていきます。

繰り返していくと、穏やかで、落ち着きのある心身への変化を感じられることでしょう。

 

狂言の上達に、そして日常生活にロルフィングが役立っているというお話を聞かせて頂けるのは、やはり嬉しいことです。

日々の出来事を、軽やかに、穏やかに、そして楽しく経験するお手伝いができたら良いなと思っています。

 

「この声でのお稽古は楽しみだ」

「この心身の感覚をもって舞台に上がりたい」

お二人はいつも、にこやかな表情でセッションルームを後にされます。

 

にこやかに舞台で演じるお二人の大きな声と、堂々とした姿に心を動かされながら、笑いのある、明るい狂言の世界を楽しむことができました。

狂言に興味のある方はぜひ。

いつもとは違った非日常の空間で、明るい笑いの世界の中で、心が解放されます。

 

柔らかく安定した足

 

ロルフィング10シリーズの2回目のセッションで扱う足。

初期の頃は、1回目に行われていたとのことです。

身体全体のバランスを考えるロルフィングで、土台となる足はとても重要視されています。

 

足の機能が回復し、身体の重さが足から地面にスムーズに伝わるようになると、身体は安定します。

そうなると、バランスを保つために硬くなっていた肩や腰などの筋肉の緊張が和らぐため、痛みの改善にもつながります。

 

また、呼吸も深くなり、落ち着いてきます。

「地に足がついた」状態ですね。

 

足首を捻挫しやすい。

靴底の減りが偏っている。

足が冷える。

O脚である。

土踏まずのアーチがない。

足首がかたい。

いずれも、身体全体のつながりの感覚が薄れ、足本来の機能が発揮されていない状態だと言えます。

 

足の仕組みを知り、これまでとは違う視点を持つこと。

足が土台としての柔軟性と安定性を取り戻すように働きかけ、身体全体と調和して機能するようにつなげること。

それらをロルフィングセッションで行い、これまで眠っていた足の機能が目覚めるように促します。

 

足の中にクッションが入った感じ。

足の中の小さな骨が、それぞれ動いているのを感じられる。

しっかり立てている。

足が床をつかむのが分かる。

歩く時、つま先を使えるようになり、膝や股関節が伸びるのを感じる。

足首の関節の動いているのが分かる。

いつまでも立っていられそう。

 

足のセッションの後、このような感想を頂くことが多いです。

 

柔らかくて、それでいて、しっかりしているという感覚の組み合わせ。

足に力を入れ続けていると、出会えない感覚だと思います。

 

安定と固定は違います。

免震構造のある建物のイメージが良いでしょうか。

さまざまな動きがあるから、揺れに対応でき、倒れないのです。

 

4/28(日)の体験会は、足をテーマにしています。

足の理解を深めつつ、ロルフィングの基本的な考えを体感する入り口になると思います。

まだ出会ったことのない足と身体の機能を楽しんでみて下さい。

 

4/28(日) 足をテーマとしたロルフィング体験会

会場:アスニー山科・和室

時間:13時15分〜15時45分 (受付12時50分〜)

参加費:3,000円

 

個人セッションで行うロルフィングそのもの(10シリーズ)ではないのですが、ロルフィングを知る機会としてご活用下さい。

2人ペアとなり、軽く身体に触れてもらう手を助けとして、身体に意識を向ける練習をします。

ロルフィングがお役に立ちそうな方など、お誘い合わせの上でご参加頂けたら嬉しいです。

メール、公式LINEアカウント、Instagramなどからお申し込み下さい。

 

公式LINEアカウントhttps://lin.ee/LsjHxLf

Instagram https://www.instagram.com/rolfing_in_kyoto?igsh=MWp4MmhvNXllZ3F5Yw%3D%3D&utm_source=qr

 

今後のアスニー山科での体験会日程とテーマ

5/26(日)肩

6/22(土)膝

7/27(土)股関節

8/31(土)骨盤

9/29(日)手・腕・肘

10/27(日)背骨

11月以降の予定は決まり次第お知らせします。

 

4/28(日)「足」をテーマとしたロルフィング体験会

 

3/24の体験会へご参加頂いた方々、ありがとうございました。

心身の変化を実感し、楽しんで下さったようで良かったです。

ぜひ継続して、深めていって下さい。

 

次回は4/28(日)「足」をテーマとした体験会を開催します。

 

身体を全体で一つのものとして扱うロルフィングの考えを基に、足の仕組みを学び、柔らかく、安定する足を体験してみましょう。

足の仕組みを学んでイメージが変わると、足はこれまでとは違う動き方を始めます。

 

おそらく、多くの方の足は、本来の機能が発揮されていないのではないかと思います。

ぜひ新たな足を楽しんでみて下さい。

 

個人セッションで行うロルフィングそのもの(10シリーズ)ではないのですが、ロルフィングを知って頂く第一歩となれば良いなと思っています。

10シリーズ経験者の方には、身体の理解を深める良い機会としてご活用頂けると思います。

 

2人ペアとなり、軽く身体に触れてもらう手を助けとして、身体に意識を向ける練習をします。

ロルフィングがお役に立ちそうな方など、お誘い合わせの上でご参加頂けたら嬉しいです。

 

会場:アスニー山科・和室

時間:13時15分〜15時45分  (受付12時50分〜)

参加費:3,000円

 

今後の体験会日程とテーマ

5/26(日)肩

6/22(土)膝

7/27(土)股関節

8/31(土)骨盤

9/29(日)手・腕・肘

10月以降の予定は決まり次第お知らせします。

 

お申込みは、メールや公式LINEアカウント、インスタグラムDMなどからお願いします。

皆さんのご参加お待ちしています。

 

公式LINEアカウントhttps://lin.ee/LsjHxLf

Instagram https://www.instagram.com/rolfing_in_kyoto?igsh=MWp4MmhvNXllZ3F5Yw%3D%3D&utm_source=qr

 

20年目

 

この3月で開業20年目に入りました。

さまざまな方々に来て頂くことで継続できていること、改めてありがたいなと思います。

 

お話を伺い、姿勢、歩き方を眺める。

横になって頂いた身体に手を置き、自分の中に広がる感覚に耳を傾けながら、言葉でのやり取りをしつつ、変化が起きるのを待つ。

 

20年近く、この作業を日々繰り返してきました。

その積み重ねが、当初は全く感じられなかった沢山の情報を受け取れるようにしてくれました。

 

手のひらで感じるだけでなく、もっと多種多様な知覚の方法があり、情報の受け取り方があります。

そういった感覚が信頼できるということも、そして、練習すれば、どなたでも感じられるようになることも分かってきました。

 

その分だけ、お伝えできることは年々増えています。

楽に動き、気分良く生きるために、どんな条件が揃うとよいのか、どんな感じでない方がよいのか、など。

以前より多くの選択肢をご提案できるようになっていると思います。

 

ロルフィングのセッションは、僕にとって本当に楽しい時間です。

毎回、何か新しい感覚に気づけないかと、耳を澄ませながら臨みます。

 

以前は感じられなかった感覚が分かる時には、自分が広がっていくような解放感とともに、新しい世界を見られた喜びを感じます。

また、これまでよりも楽に呼吸できることや、力みのない手で身体に触れていることなど、自分の身体が楽になっていることに気づく楽しみもあります。

同じことを繰り返しているからこそ、小さな違いに気づき、変化が分かるのですね。

 

そして「心身の不調が改善された」「心身の仕組みが分かって面白い」など、来られる方の喜ばれる姿を見ることができる機会でもあります。

これが、こういった仕事に共通の、何よりの喜びだと感じます。

多くの方に喜んで頂けるように、少しでも成長したいという思いは、当初から変わることはありません。

 

姿勢や、動き方の改善。

意識の持ち方や、イメージの転換。

 

そういったことで、心身の健康状態は大きく変わり、より楽に動き、気分良く過ごせるようになります。

その仕組みを知り、上手く使いこなせることには、とても価値があると思います。

そして何よりも、それは面白く、楽しいことだと僕は感じています。

 

これらの情報を、少しでも多くの方と共有できる機会になればと思い、昨年末から、定期的にロルフィングの体験会やワークショップを開催しています。

人には健康になる力があること、そして自分で心身を整える方法があることを知り、その面白さに触れ、楽に、気分良く生きるための助けとして頂きたいなと思っています。

 

世界中にさまざまな問題がありますが、一人ひとりの心身が健康になり、調和や穏やかさを取り戻すことは、それらの解決のために欠かすことのできない大切な要素だと思います。

そのための方法の一つとして、ロルフィングの体験がお役に立てば、本当に嬉しいことです。

 

自分の中で、そして自分の関わる方々の中で、心身の健全さが発揮されるような選択を続けたい。

そんな思いで活動しています。

20年目も、よろしくお願いします。

 

 

ロルフィング体験会の日程とテーマ

会場:アスニー山科 時間: 13時15分〜15時45分 参加費:3,000円

3/24(日)呼吸

4/28(日)肩

5/26(日)足

6/22(土)膝

7/27(土)股関節

8/31(土)骨盤

9/29日(日)手・腕・肘

10月以降の日程は決まり次第お知らせします。

 

深い呼吸を手にするために

 

深い呼吸とは、大きく呼吸しているということだけではありません。

それが起きている時、楽な感じや、緊張が和らぎ、ほっとする感じ、解放される感覚などが伴っているでしょう。

深い呼吸は、心身の健康にとって欠かせないものです。

 

3/24の体験会でも、個人セッション同様に、呼吸運動の中心となる横隔膜のはたらきを理解することから始めます。

肺や肋骨、背骨との関係も含めた解剖学のイラストや画像を見ることで、横隔膜がどこにあって、どのように動いているものなのかがイメージできるようになると思います。

 

こういったイメージを浮かべながら練習するだけでも、呼吸が変わり始めます。

イメージや情報を修正すると、身体が変わっていくのです。

 

また、深い呼吸をするためには、リラックスしていることが必要となります。

緊張して身体を固くしている習慣に気づき、それらを手放していく練習も、深い呼吸を手にするために欠かせない大切なことです。

これも、繰り返し練習することで上達していきます。

 

ロルフィングの個人セッションや体験会の良さは、他者の手や視点に助けられることです。

1人で練習するよりも変化しやすいし、やはり楽です。

 

そして、良かれと思って続けていた方法や、無自覚だった癖から解放されること。

これが、本当に大きな一歩になります。

今の自分の目には見えないことがあり、自分のこれまでの方法だけでは出来ないことがあります。

 

深い呼吸が起き、穏やかさや解放感を味わっている時、姿勢や動きが良くなっていることにも気づかれることでしょう。

それを、ご自身の身体で感じ、納得してみて下さい。

 

3月24日(日)   深い呼吸をテーマとしたロルフィング®︎体験会

会場:アスニー山科・和室

時間:13時15分〜15時45分

           (受付12時50分〜)

参加費:3,000円

 

お申し込みは、LINE、インスタグラム、メールやお電話からお願いします。

今後のアスニー山科での体験会は2ヶ月に1回開催予定です。

5月26日(日)テーマは「足」

7月27日(土)テーマは「骨盤」

9月、11月にも開催予定です。

皆さんのお申し込みをお待ちしています。

 

公式LINEアカウント

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インスタグラム アカウント 

https://www.instagram.com/rolfing_in_kyoto?igsh=MWp4MmhvNXllZ3F5Yw%3D%3D&utm_source=qr

 

1/14 体験会@アスニー山科

 

今回も「不思議な体験だ」という感想が多かったです。

手を置いているだけなのに、なぜ身体が変化するのか。

感じ方やイメージを変えるだけで、なぜ身体が柔らかくなったり伸びたりするのか。

それが不思議だと。

 

以前の僕も同じように考えていたので、その気持ちは良く分かります。

今は、程度の差はあれ、変化するのが当たり前だと思っていますし、ロルフィングを経験されている方々もそうだと思います。

 

そういった仕組みがあることを、言葉だけではなく身体で実感するのが大切だと思います。

そして、それを深めていくことも。

 

「呼吸が楽になった」

「身体が軽い」

「優しい気持ちになれていた」

「歩くのが楽」

「脚が長くなったように感じる」

「姿勢が良くなった」

「初回よりも感覚が分かり易い」

 

今回の体験会での主な感想ですが、ロルフィングの個人セッションでお聞きする内容とも共通しています。

 

「手のひらで、ペアの方の身体が変化するのが分かり驚いた」

「ペアの方の緊張が和らいでいくのと同時に、自分の身体が広がり、楽になっていくのを感じた」

「触れている自分が癒されるようだった」

 

これらは体験会ならではの感想ですね。

そして、僕らのような手技やカウンセリングを伴う職種では、日々体験しているお馴染みの感覚でもあります。

 

変化そのものは、程度の差はあれ誰にでも起きますが、それをすぐに、はっきりと知覚することには少し難しさがあるかもしれません。

使い慣れた自分の感覚だと、新しい変化が分かりにくいようです。

変化が無いように思えるのです。

 

僕自身も感じることは苦手だったので、感覚が分からないというストレスは想像できます。

それでも少しずつ練習すると、感じる力、気づく力を育てていくことができます。

そして、その力は、自分の心身をケアし、健康を保っていくための大きな助けとなってくれることでしょう。

 

今回は、体操教室の生徒さんのグループ、狂言を学ばれている方のグループ、看護師さんや身体のケアをするお仕事をされている方々がご参加下さり、約半数の方がロルフィングに触れるのが初めてでした。

それでも、皆さんが共有してくださったお話から、各々が十分に変化を感じとり、何かを得られたことが分かりました。

 

僕がロルフィングに触れ、学び始めた頃と比較すると、皆さんの感じる力はすごいなと感心しながらお話を伺っていました。

その感覚を深めていけば、より良い結果につながることでしょう。

何らかの形で継続して頂けたら嬉しいです。

 

今後、アスニー山科でのロルフィング体験会は2ヶ月に1回開催予定です。

324() テーマは「深い呼吸」

526() テーマは「足」

727() テーマは「骨盤」

 

9月、11月にも開催予定です。

皆さんのお申し込みをお待ちしています。

 

12/19体験会@山科

 

1219日、アスニー山科で体験会を開催しました。

「ロルフィングが良いと思っているが、上手く説明できない。身体で体感してもらう機会があれば伝わるのではないか」

そう言われる方々が、ご友人たちに声をかけて下さりました。

その他には、10月の滋賀ワークショップでの感覚を思い出したいという方々、2日前にロルフィングを知り、興味を持たれた方などが参加して下さりました。

 

今回のような体験会は、やはりロルフィングの個人セッションとは違うものなので、同じレベルの変化にはならないのですが、ロルフィングで使う方法や仕組みの一端を知って頂くのには良い機会です。

身体に意識を向け、感覚に耳を傾ける練習の機会としても。

 

歩いてみて、身体を感じてみて、現在の状態を把握する。

そして横になり、ペアの方の手を頼りに、身体に意識を向け、新しいイメージを選択したり、これまでとは違う感じ方を選択してみる。

それからまた、歩いてみて、どう違うのかを感じてみる。

役割を交代しながら、それを繰り返しました。

 

見るからに背が高くなった方。

肩の力が抜けた方。

呼吸が楽になった方。

こういった方法でも身体が変わることに不思議さを覚えた方。

さまざまな体感や気づきがあったようです。

 

触れられているだけでも身体が変わっていくこと。

イメージや意識を変えるだけでも身体が変わっていくこと。

その方なりの感覚で体感して頂けたと思います。

 

ペアワークでは、相手の身体に触れている手が、だんだんと身体に馴染んでいくのが分かったり、相手の身体の硬さがなくなっていく変化に気付けた方が多かったようです。

個人セッションを長年受けられている方々にとっては、普段のセッションで、ご自身の身体にどんなことが起きているのかを客観的に理解し、僕がどんなことを感じながらワークしていたのかを体感して頂く良い機会だったのではないかと思います。

 

また、お互いに感覚を伝え合うことには、自分にはなかった視点を得られる良さがあります。

自分では変わった気がしなくても、ペアの方に左右が違って見えるくらい変わったことや、歩き方が変化していることを指摘してもらうことで、そうだったのかと驚かれる方も多いです。

 

自分の感覚が当てにならない場合もある。

今の自分には、感じられない変化がある。

とても大事な気づきだと思います。

それが、癖であり、習慣なのです。

 

個人セッションでも同じですが、変化に気付けるようになるまでに、少し時間や回数が必要な場合があります。

それでも、ある時、自然と分かるようになり、どんどん深まっていきます。

 

言葉で知ることと、それを体感してみることには大きな差があります。

そして、それを積み重ねることでしか見えてこないものがあるのです。

何とか、こういった方法に含まれている可能性や重要性に気づいて頂きたいなという思いがあります。

どなたでも、その気になりさえすれば変化が始まるので。

 

楽な在り方や、より良いイメージを選択をすることは、練習を繰り返していくことで上達します。

少しづつだとしても着実に習慣を変え、身体を変えていく力があるため、一度でもやってみることには大きな意味がありますし、回を重ねていけば、なおさら良いです。

 

そして、習慣の力は強いので、忘れたら思い出し、なるべく良い選択をする時間を長くすることは、とても大切なことです。

それができれば、変化はより深まり、継続します。

 

ぜひ、ご自身でそんな機会を作ってみたり、ロルフィングのセッションやワークショップを通して、経験を重ねてみて下さい。

変化する可能性が、当然のように見えてくるはずです。

 

次回は114()に同じくアスニー山科で体験会を開催します。皆さんのご参加お待ちしています。

 

ガイアシンフォニー第九番

 

大阪平野の「ぐるぐるそだつ長屋」さんで、ガイアシンフォニー第九番の上映会がありました。

 

今から25年近く前、長野県で働きながら、ロルフィングを勉強したいと思いつつ、心を決められないで過ごしていた時期がありました。

ある日、古本屋で龍村仁監督のエッセイに出会いました。

それを読み「やっぱり、こっちの世界を生きたい」と心が決まり、そこからロルフィングの勉強するための準備を本格的に始め、今に至ります。

 

エッセイから入り、ガイアシンフォニー(地球交響曲)という映画を知りました。

これまでの第一番から第八番、どれも心に力を与えてくれましたが、今回の第九番もまた本当に素晴らしいものでした。

「コバケン」さんのベートーヴェンの第九への思い、それに向き合う姿勢に圧倒されました。

そして、それにより変わっていく演奏にも。

 

このガイアシンフォニー第九番が、龍村監督の遺作となります。

145年前の京都の上映会後に、今の仕事をするきっかけを頂いた感謝をお伝えしたいと、挨拶させて頂いた時の気さくで軽やかなご様子を思い出しながら、そしてロルフィングに関わる人生に、本当に大きな影響を与えて下さったことへ感謝しながらの鑑賞でした。

 

上映会の後のシェア会での参加者のお話も心に響くもので、素敵な会場の雰囲気とともに良い時間となりました。

ぜひ多くの方に観て頂きたいと思います。