頭と心を、静かに

 

何かを考え、頭を使い続けている時、身体が固くなりやすいようです。

失敗しないようにと心配したり、何かの不安を感じている時も同様です。

 

そんな時は、気づかないうちに呼吸が浅くなっています。

ロルフィングのセッションでは、それに気づいて、別の選択ができないか探してみます。

 

頭と心を静かにして、身体を休めてみるのです。

 

そうすることで、息が楽になるのが分かったり、身体がふわっと柔らかくなるのを感じたりします。

緊張から解放される時の感覚です。

 

穏やかな気持ちで毎日を過ごす。

ロルフィングのセッションで、手にして頂きたいと思っている大きな目標の一つです。

そのために欠かせないものが、楽な呼吸であり、心地のよい身体ではないかと思います。

 

落ち着きを取り戻すと、心身がどんな状態だったのかが分かります。

考えることが増えている時こそ、頭と心を静かにする時間を作ってみることが大切なのではないでしょうか。

 

自分の奥にある静けさ、広さやスペースを感じ、落ち着きを取り戻してみること。

それは、心身の健康にとって、とても価値のあるものだと言えるでしょう。

 

できる範囲で、少しずつ、この瞬間にある静けさに気づくこと。

そこからスタートできると良いですね。

 

16年目

 

今日38日で開業して16年目になります。

結構な年数になったな、というのが今の気持ちです。

 

ロルフィングを受け、興味を持ち、ロルファーになってみたいと思い始めたのが、20年くらい前のこと。

そこから、トレーニングコースに行くための様々な準備をしながらも、行くことを決めきれない自分がいたことを思い出します。

 

もちろん、仕事として成り立つのかという部分での迷いもありました。

ただ、当時の僕にとって一番の問題は別にありました。

「本当にロルフィングには、学び、そして職業にするだけの価値があるのか?」

それが分からなかったのです。

 

そんなこともあり、心身に関する様々な本を読んでみたり、ロルフィング以外のことをしながら、あれこれ考えて過ごす時間が何年か続きました。

しかし、やはり勉強したいという思いが強くなって、ロルフィングのトレーニングコースに参加し、今につながっています。

 

「あの時点でいくら考えても分かる訳はないよな」と、当時のことを振り返ります。

その頃の僕は、頭でっかちで生きていたので、考えたら分かると思っていたようです。

だから考えて結論を出そうと頑張っていました。

 

「体験しなければ分からないことがある」

「考えても分からないことがある」

今ならそれが分かるのですが。

 

16年目の今、ロルフィングを始めた頃と比べると、かなり違った感覚や視点を使ってセッションをしています。

経験が増えるにつれ、感じられる情報量が増え、見え方も大きく変わってきました。

 

より多くの情報から判断している感じです。

初めの頃には全く感じられなかった多くの情報から。

 

考えすぎて不安になり、ためらいそうになる自分をなだめながら、トレーニングコースに参加することを決め、開業してから16年目の今。

今の身体感覚や、心身の仕組みへの理解があれば、ロルフィングに学ぶ価値があるのかどうかという点においては全く迷わないでしょう。

 

そう実感できるようになるために、今のような視点や意識を持てるようになるために、これまでの15年間があったとも言えます。

 

今のように感じながら生きていられること。

自分に自信を持てず、自分の感じることを信じられずに生きていた僕にとって、これは本当に大きな変化です。

 

「自分にもこんな感覚があるのか」

「こんなことが感じられ、分かるようになるのか」

続けている中で、そういった驚きに出会うことができます。

 

「身体が変化するときは、こんなことが起きているのか」

「良い変化が起きる時は、こんな感覚が広がるのか」

新しく見えてくる現象を観察し、理解していける楽しさがあります。

 

どなたでも、それを感じられるようになると思います。

それを皆さんと共有し、人の心身に備わっている変化する力に気づいてもらいたい。

そして、心地の良い身体になり、穏やかに毎日を過ごすためのお手伝いをしたい。

 

16年目も、そんな思いを持ってロルフィングのセッションをしています。

引き続き、よろしくお願いします。