目に見えない癖を、目に見えるように

 

自分では何もしているつもりはないこと。

また、良かれと思って繰り返していること。

そういった中に、長い間変えられなかった症状の原因が隠れていたりするものです。

 

自分の目には見えない癖。

それを日の当たる場所に出すことができると、長い間変わらなかったことが変わりはじめます。

ロルフィング in 京都では、そんな作業をお手伝いしています。

 

何かをしようと考える。

ちゃんと動こうとする。

または、意識を集中する。

 

そんな時に、自分では気がつかないうちに、身体に余分な力が入りやすくなります。

首が硬くなる。

腰に力が入り、背筋が縮む。

のどが硬くなる。

眉間に力が入り、シワができる。

手に力が入る。

これらは、よくある反応の例です。

 

そして、上記のようなことが繰り返されている部分には、慢性化した症状が現れやすいようです。

外から見て、触れているロルファー側からは、そういった反応がよく感じられます。

 

それが、不思議と本人には感じられない。

何かやっているつもりも、実感もないことが多いのです。

 

僕自身も、自分のことになると、そうなってしまいます。

不思議と、自分の感覚だと、すり抜けてしまうもののようです。

 

まずは、これまでの自分には見えなかった癖に気づいてみること。

言われたら、何かそんな気がする。

そんな感じがしないこともない。

そんなところから変化への一歩が始まります。

 

無意識のうちに繰り返してきた反応をしない練習をすること。

それが、長い間続いてきた問題が変わっていくきっかけになります。

この部分が、ロルフィング in 京都で手にして頂ける大きな価値だと思います。

 

これまで見えなかった、小さな違いが分かりはじめた。

あるいは、かすかにそんな気がするようなった。

それは、大したことないように思えるかもしれないですね。

 

でも本当は、そんな小さなことが分かるくらい、とても大きく変わった。

そういうことではないでしょうか。

だから、落ち着いて、小さな違いに気づくことを重ねていけば大丈夫。

そう思って、少しずつ進んでいきたいですね。

 

ロルフィングの受け手として

 

先日、ロルフィングを受けました。

初めて10回シリーズを受けて以来、ロルファー養成トレーニング中や、アメリカ滞在時、ロルファーになってからのものも合わせると、かなりの回数を受けています。

そして、現在も定期的に受ける機会を持っています。

 

毎回感じるのは、「自分だけでは、こうはならないな」「人の手があると楽だな」ということ。

やはり、効率が良いなと思います。

そして、楽になるなと。

 

自分でしかできないことがある一方で、自分以外の人に関わってもらうから、できることもありますね。

単純に、自分では手の届かないところに手を置いてもらえることだけでも、大きな価値があります。

 

また、自分の使い慣れたフィルターでは見落としてしまう感覚の穴が、自分以外の要素が入ることで見えてきます。

ロルフィング in 京都では、ロルファーの手や視点により、受け手の心身が反応し、変化します。

自分ではない人が関わるから、自分が知らない自分が現れてくれる。

それがよく分かります。

 

今回、ロルフィングを受けた時の感覚について。

普段のロルフィング in 京都のセッション中「身体の輪郭がぼやけている」「形が無くなったような感じがする」といったコメントを頻繁にお聞きします。

僕もまた、同じことを感じていました。

 

周りの空間に溶け込んでいくような感覚です。

普段とは違う身体の感じ方がある。

これを実感すると、大きな解放感が生まれます。

 

今回は、これまでよりも身体の内側、奥の方がより広く感じられ、そこから外に伸び、広がっていく感覚がありました。

皮膚や筋肉だけではなく、内部の空間ごと伸びていく感じです。

そして、透明な静けさのような感覚が広がっているのを感じていました。

 

毎回のことですが、スタートすると呼吸が楽になり、身体がリラックスしていくのが感じられます。

また、頭の中が静かになり、穏やかな気分が広がっていきます。

今回もそんな感じを味わっていました。

 

定期的にロルフィングを受けることは、身体のメンテナンスになり、疲れの蓄積を減らしているなと感じます。

また、毎回新たな感覚に気付けることには、楽しさと同時に、とても大きな価値を感じます。

頭だけではなく、体感を伴う理解だからです。

僕の場合は、それが日々のロルフィングセッションの理解を深めることになります。

 

自分で、自分の心身に問いかけること。

それから、他者の手や視点を借りて、自分の心身に問いかけてみること。

この2つをバランスよく続けると、スムーズに変化が進んでいくようです。

その手がかりを、日々のセッションでお伝えできると良いなと思っています。

 

15年目

 

今日でロルフィングin京都を開業し、15年目に入ります。

これまでロルフィングを受けて頂いた方々、そして今も継続して頂いている方々に改めて感謝する気持ちになります。

皆さんに来て頂くことで、ようやくロルファーとして存在できます。

日々の皆さんとのセッションの積み重ねで今があり、本当にありがたいと感謝しています。

 

2004年の12月、アメリカでトレーニングコースを修了した後、アラスカから来ていたクラスメート達を訪問し、しばらく冬のアラスカを味わってから、日本へ帰国しました。

「私が日本に行ったら、わざと夜中の便で帰るから、その時は送ってもらうわよ」

とクラスメートに軽口をたたかれながら、夜中発の帰国便に合わせて、深夜にアンカレッジの空港に車で送ってもらっていた時のことです。

 

ふと、これからロルフィングを通してお会いする方々が列になって見えたような気がしました。

そうあってほしいという願いが、見えた気にさせたのかもしれませんが。

そんな列のイメージを、雪の中を運転してくれるクラスメートに伝え、「きっとそうだ」と励ましてもらったのが、ついこの間のようにも感じます。

 

これまで出会えたのは、その列のイメージの中にいた方々ではないか、そして、これから新しくお会いできる方々も、その列に並ばれていたのかなと、ふと想像してみたりします。

これから、どんな方とお会いし、どんな変化を見せて頂けるのか、僕自身がどんな新しい感覚に出会えるのか、とても楽しみです。

ロルフィングを受けて、ご自身の心身が持つ大きな可能性に気付き、伸びやかに、穏やかに生きていくお手伝いができると嬉しいです。

 

15年目も、よろしくお願いします。

 

腰を伸ばそうとしないで伸ばす方法

 

腰を伸ばそうと一生懸命努力している方は多いと思います。

良い姿勢になろう、腰の痛みを無くしたい、と。

僕もそうでしたが、腰を伸ばすことは、とても大変です。

 

出来ない人には本当に難しい。

出来る人にはごく普通のことなのですが。

 

「 腰を伸ばそうとしてないのに、伸びてる」

「頑張ってないけど、身体がまっすぐに起きてる」

身体が変化した後、こんな言葉が聞かれます。

 

「これは、頑張って腰を伸ばそうとしても無理だったな」

腰が伸びたと感じた時の、僕の感想です。

 

背筋で体を起こしている努力感がありませんでした。

そこでようやく、これまでの努力とは違う、別の何かが必要だと理解できました。

少なくとも、背面の筋肉だけを縮めて、何とかすることではないと。

 

腰が伸びた時、僕の場合は

「骨盤の中に入り込んでいた背骨が、上に出てきて自由になった」

「骨盤が動くのが感じられた」

「股関節が伸びて、ももの筋肉が柔らかくなった」

という身体感覚がありました。

 

ロルフィングのセッション中、腰が伸びた姿勢になった時

「お腹の中に広がり、伸びを感じる」

「骨盤が自然と立っている」

「深く呼吸ができる」

こんな感想が多く聞かれます。

 

それに加え、上半身で感じられる変化としては、

「目線が高くなっている」

「胸が開いている」

「肩がリラックスしている」

といった内容をよくお聞きします。

 

共通するのは「何も頑張っていないのに」「しようと思っていないのに」

というフレーズがついてくることです。

 

このように、腰だけが良い方向に変化するのではないこと、努力感がなくても大丈夫なことが分かってきます。

ということは、多くの方がコメントされたような状態の時、腰が伸びる可能性が大きくなると言えるのではないでしょうか。

 

ロルフィングセッションでは、そのような条件を一つづつ、ゆっくりと揃えていくことで、腰が健康になるのを促していきます。

どの部分も、その他の部分につながっていて、影響がある。

その視点を持ちながら、部分の改善に取り組むと、全体の健康レベルが上がり、腰も健康になっていくでしょう。

 

腰を伸ばしたいと思った時、いつものようなやり方で伸ばさないこと。

自分の感じ慣れた、思い慣れた腰だけを伸ばさないこと。

ここが大切なスタートラインになると思います。