感覚を追いかけない

 

はっきりとした感覚を追いかける。

自分の望む感覚を一生懸命に探す。

その結果、緊張が高まり、身体を縮めてしまう。

ロルフィングのセッション中に、よく起きることです。

 

ロルファーとして関わっている側からは、その変化がよく分かります。

呼吸が浅くなり、窮屈さが広がっていくからです。

 

一生懸命に何かをやろうと考えている時。

一つのことに集中し過ぎている時。

自分の心身に起きている苦しさを感じにくくなるようです。

 

僕自身にもよく起きることです。

追いかける状態から離れることができたら、何が起きていたかが分かります。

それまでは、特に何とも感じないのが不思議だなと、いつも思うのですが。

 

ロルフィングのセッションで、心身に目を向ける機会を重ねていくと、少しずつ分かってくるでしょう。

「ちゃんとやろうと頑張って、緊張していたのか」と。

 

追いかけている時と、そうでない時の違いに気づく練習をしていきませんか。

セッションの中で、切り替わる瞬間をお伝えしたり、その前後の違いを体感してもらったりしています。

そんなことを繰り返していくと、どなたでも分かるようになっていくでしょう。

 

求めている内容が何であれ、どのような在り方でそれを求めているのか?

どんな内容のことであれ、何かをしている時に、どのような感覚が心身に広がっているのか?

その点に注意を払うようになってきます。

 

そうなると、長く続いてきた心身の問題や苦しさの正体が見え始めることでしょう。

軽やかに生きるための手がかりと共に。

 

生活パターンが変化することで

 

4月に予定していた滋賀・大津でのワークショップは延期となりました。

参加を希望して下さっていた方、申し訳ありませんでした。

落ち着いた環境で、改めて皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

また、よろしくお願いします。

 

このような状況ですから、ほとんどの方に、外出が減ったり、活動が少なくなったりといった変化があるのではないかと思います。

これまでと同じパターンで生活を送ることはできないですね。

それは、結果として、新しい生活習慣で生きていると言うこともできます。

 

習慣を変えるのは、なかなか難しいことです。

それが期せずして起きていると言えますね。

その変化を、新しい視点を手にする良い機会としている方も多いのではないでしょうか。

 

例えば、時間に余裕ができたことで、これまでは時間に追われている感じの毎日だったのだなと気づく。

または、普通だと思っていた日常は、とても貴重なことだったと分かった、など。

変化には、気づきを促す力があると思います。

 

そして、こういう時は、身体の感覚に目を向けるのにも良いタイミングだと考えることができます。

 

活動量が少なくなり、習慣による動き方、身体の使い方を繰り返すことが減っている。

また、いつもとは違う気持ちで過ごすことにより、身体のコンディションが変わっている。

そんな条件が、新しい感覚に気づきやすくしてくれるように感じます。

 

普段よりも、少しだけ深く、落ち着いた感覚を味わえるのに気づく。

あるいは、身体の奥の方に細やかな動きを感じられる。

そんな、心地の良い感覚に気づく可能性があります。

 

反対に、普段よりも心身の緊張感がはっきり分かる。

また、呼吸が浅くなっているのが気になる。

そういった、一見望ましくない感覚の存在に気づくこともあるでしょう。

 

しかし、それがどんな内容であれ 気づくことができたという意味では、価値があると言えると思うのです。

いつもとは違う状況で過ごす毎日。

この時を、気づきを深めるという機会として過ごしてみるのも良いのではないでしょうか。