4/28(日)「足」をテーマとしたロルフィング体験会

 

3/24の体験会へご参加頂いた方々、ありがとうございました。

心身の変化を実感し、楽しんで下さったようで良かったです。

ぜひ継続して、深めていって下さい。

 

次回は4/28(日)「足」をテーマとした体験会を開催します。

 

身体を全体で一つのものとして扱うロルフィングの考えを基に、足の仕組みを学び、柔らかく、安定する足を体験してみましょう。

足の仕組みを学んでイメージが変わると、足はこれまでとは違う動き方を始めます。

 

おそらく、多くの方の足は、本来の機能が発揮されていないのではないかと思います。

ぜひ新たな足を楽しんでみて下さい。

 

個人セッションで行うロルフィングそのもの(10シリーズ)ではないのですが、ロルフィングを知って頂く第一歩となれば良いなと思っています。

10シリーズ経験者の方には、身体の理解を深める良い機会としてご活用頂けると思います。

 

2人ペアとなり、軽く身体に触れてもらう手を助けとして、身体に意識を向ける練習をします。

ロルフィングがお役に立ちそうな方など、お誘い合わせの上でご参加頂けたら嬉しいです。

 

会場:アスニー山科・和室

時間:13時15分〜15時45分  (受付12時50分〜)

参加費:3,000円

 

今後の体験会日程とテーマ

5/26(日)肩

6/22(土)膝

7/27(土)股関節

8/31(土)骨盤

9/29(日)手・腕・肘

10月以降の予定は決まり次第お知らせします。

 

お申込みは、メールや公式LINEアカウント、インスタグラムDMなどからお願いします。

皆さんのご参加お待ちしています。

 

公式LINEアカウントhttps://lin.ee/LsjHxLf

Instagram https://www.instagram.com/rolfing_in_kyoto?igsh=MWp4MmhvNXllZ3F5Yw%3D%3D&utm_source=qr

 

20年目

 

この3月で開業20年目に入りました。

さまざまな方々に来て頂くことで継続できていること、改めてありがたいなと思います。

 

お話を伺い、姿勢、歩き方を眺める。

横になって頂いた身体に手を置き、自分の中に広がる感覚に耳を傾けながら、言葉でのやり取りをしつつ、変化が起きるのを待つ。

 

20年近く、この作業を日々繰り返してきました。

その積み重ねが、当初は全く感じられなかった沢山の情報を受け取れるようにしてくれました。

 

手のひらで感じるだけでなく、もっと多種多様な知覚の方法があり、情報の受け取り方があります。

そういった感覚が信頼できるということも、そして、練習すれば、どなたでも感じられるようになることも分かってきました。

 

その分だけ、お伝えできることは年々増えています。

楽に動き、気分良く生きるために、どんな条件が揃うとよいのか、どんな感じでない方がよいのか、など。

以前より多くの選択肢をご提案できるようになっていると思います。

 

ロルフィングのセッションは、僕にとって本当に楽しい時間です。

毎回、何か新しい感覚に気づけないかと、耳を澄ませながら臨みます。

 

以前は感じられなかった感覚が分かる時には、自分が広がっていくような解放感とともに、新しい世界を見られた喜びを感じます。

また、これまでよりも楽に呼吸できることや、力みのない手で身体に触れていることなど、自分の身体が楽になっていることに気づく楽しみもあります。

同じことを繰り返しているからこそ、小さな違いに気づき、変化が分かるのですね。

 

そして「心身の不調が改善された」「心身の仕組みが分かって面白い」など、来られる方の喜ばれる姿を見ることができる機会でもあります。

これが、こういった仕事に共通の、何よりの喜びだと感じます。

多くの方に喜んで頂けるように、少しでも成長したいという思いは、当初から変わることはありません。

 

姿勢や、動き方の改善。

意識の持ち方や、イメージの転換。

 

そういったことで、心身の健康状態は大きく変わり、より楽に動き、気分良く過ごせるようになります。

その仕組みを知り、上手く使いこなせることには、とても価値があると思います。

そして何よりも、それは面白く、楽しいことだと僕は感じています。

 

これらの情報を、少しでも多くの方と共有できる機会になればと思い、昨年末から、定期的にロルフィングの体験会やワークショップを開催しています。

人には健康になる力があること、そして自分で心身を整える方法があることを知り、その面白さに触れ、楽に、気分良く生きるための助けとして頂きたいなと思っています。

 

世界中にさまざまな問題がありますが、一人ひとりの心身が健康になり、調和や穏やかさを取り戻すことは、それらの解決のために欠かすことのできない大切な要素だと思います。

そのための方法の一つとして、ロルフィングの体験がお役に立てば、本当に嬉しいことです。

 

自分の中で、そして自分の関わる方々の中で、心身の健全さが発揮されるような選択を続けたい。

そんな思いで活動しています。

20年目も、よろしくお願いします。

 

 

ロルフィング体験会の日程とテーマ

会場:アスニー山科 時間: 13時15分〜15時45分 参加費:3,000円

3/24(日)呼吸

4/28(日)肩

5/26(日)足

6/22(土)膝

7/27(土)股関節

8/31(土)骨盤

9/29日(日)手・腕・肘

10月以降の日程は決まり次第お知らせします。

 

1/14 体験会@アスニー山科

 

今回も「不思議な体験だ」という感想が多かったです。

手を置いているだけなのに、なぜ身体が変化するのか。

感じ方やイメージを変えるだけで、なぜ身体が柔らかくなったり伸びたりするのか。

それが不思議だと。

 

以前の僕も同じように考えていたので、その気持ちは良く分かります。

今は、程度の差はあれ、変化するのが当たり前だと思っていますし、ロルフィングを経験されている方々もそうだと思います。

 

そういった仕組みがあることを、言葉だけではなく身体で実感するのが大切だと思います。

そして、それを深めていくことも。

 

「呼吸が楽になった」

「身体が軽い」

「優しい気持ちになれていた」

「歩くのが楽」

「脚が長くなったように感じる」

「姿勢が良くなった」

「初回よりも感覚が分かり易い」

 

今回の体験会での主な感想ですが、ロルフィングの個人セッションでお聞きする内容とも共通しています。

 

「手のひらで、ペアの方の身体が変化するのが分かり驚いた」

「ペアの方の緊張が和らいでいくのと同時に、自分の身体が広がり、楽になっていくのを感じた」

「触れている自分が癒されるようだった」

 

これらは体験会ならではの感想ですね。

そして、僕らのような手技やカウンセリングを伴う職種では、日々体験しているお馴染みの感覚でもあります。

 

変化そのものは、程度の差はあれ誰にでも起きますが、それをすぐに、はっきりと知覚することには少し難しさがあるかもしれません。

使い慣れた自分の感覚だと、新しい変化が分かりにくいようです。

変化が無いように思えるのです。

 

僕自身も感じることは苦手だったので、感覚が分からないというストレスは想像できます。

それでも少しずつ練習すると、感じる力、気づく力を育てていくことができます。

そして、その力は、自分の心身をケアし、健康を保っていくための大きな助けとなってくれることでしょう。

 

今回は、体操教室の生徒さんのグループ、狂言を学ばれている方のグループ、看護師さんや身体のケアをするお仕事をされている方々がご参加下さり、約半数の方がロルフィングに触れるのが初めてでした。

それでも、皆さんが共有してくださったお話から、各々が十分に変化を感じとり、何かを得られたことが分かりました。

 

僕がロルフィングに触れ、学び始めた頃と比較すると、皆さんの感じる力はすごいなと感心しながらお話を伺っていました。

その感覚を深めていけば、より良い結果につながることでしょう。

何らかの形で継続して頂けたら嬉しいです。

 

今後、アスニー山科でのロルフィング体験会は2ヶ月に1回開催予定です。

324() テーマは「深い呼吸」

526() テーマは「足」

727() テーマは「骨盤」

 

9月、11月にも開催予定です。

皆さんのお申し込みをお待ちしています。

 

筋膜という視点から

 

「筋膜」という膜があります。

この本の表紙にあるように、背中の筋肉を包む筋膜、臀部の筋肉を包む筋膜、脚の外側部分の筋膜は、それぞれの筋肉を包みながら、ひとつに繋がっています。

 

そう考えると、ある部分の不具合が、他の部分に影響を与えることが想像できるのではないでしょうか。

個別の筋肉を考えることと、それぞれの筋肉を包む、ひと繋がりの筋膜を考えることには、大きな違いがあるのです。

 

筋膜は、身体全体に立体的に広がり、筋肉だけでなく、骨、内臓など、あらゆるものを包み、それらを一つにつなげ、位置()を決めている結合組織です。

人の形をした、立体的な蜘蛛の巣や、目の細かいハンモックのようなイメージでも良いかと思います。

 

ロルフィングでは「全体性」「統合」「つながり」「関係性」などがキーワードになります。

筋膜の連続性を知ることは、これらの意味を理解していく上での手がかりになると思います。

 

つながっているから、影響がある。

まずはシンプルに、そう考えると良いのではないでしょうか。

 

筋膜に柔軟性が戻ると、姿勢や動きは変化します。

また、筋膜という視点を持ち、上手くイメージが浮かぶだけでも、身体には変化が起きます。

 

その力を、引き出したいですね。

せっかく備わっている力なので。

 

そして、おそらく皆さんが思うよりも、筋膜は(身体は)変化しやすいものです。

それをロルフィングのセッションで実感して頂きたいと思っています。

 

ロルフムーヴメント™️

 

僕は、思うようにならない姿勢や、楽にできない身体の状態に悩み、試行錯誤してきましたが、ロルフィングを通して、身体を楽にする手がかりが分かってきました。

変わっていく方法はあるのです。

 

ロルフィングセッションの大きな特徴は、受け手本人に参加してもらうことです。

「その人自身が、自分の身体に目を向け、身体への考え方や付き合い方を変えることが、健康を保つのに欠かせないのではないか」

そんな考えが基本にあるからです。

 

日常での身体の使い方や、毎日の過ごし方が、姿勢や健康に大きく影響します。

ということは、その要素が変化すれば、身体も変わるのです。

 

僕は、この視点に大きく助けられたので、セッションの中で、習慣や癖に気付き、それを手放し、本来の動きを手にする練習に時間をかける傾向があります。

 

アメリカのインストラクターが「あなたの、この部屋での歩き方が、あなたの人生の歩き方だ」という言葉を残しています。

 人生の歩き方が、その在り方が、今の瞬間の部屋の歩き方に現れているということです。

 

どのような価値観で、どんなことを考えて生きているのかが、動き方に大きな影響を与えています。

身体や動きが変わるためには、いわゆる「方法」だけではない、別の何かが変わる必要があるとも言えるでしょう。

 

ロルフィングコミュニティーは、動きの変化を通して、身体(姿勢)の変化を探っていくアプローチを「ロルフムーヴメント」と名付け、発展させてきました。

ロルファーの認定とは別に、ロルフムーブメントの資格認定トレーニングがあります。

 

僕はロルファーになって3年目に、シドニーでのトレーニングコースに参加しました。

そこでは教え方よりも、ロルファー自身が、自分の身体への気付きを高めることに主眼が置かれていました。

 自分の身体感覚を伴って学ばない限り、深まっていかないからです。

 

大きな助けになったのは「正しく動きたいと強く考えるだけでは上手くできない仕組みなのだ」という理解でした。

リラックスする方が良いということを、感覚的にも、理論的にもようやく納得できたのだと思います。

 

ちゃんとしようと思うことで、身体の奥が収縮すること。

無意識で続けている、小さい時に覚えた背中を緊張させる立ち方。

誤った解剖学の知識や、身体に持っているイメージ。

身体の内部や周辺にある、空間を感じにくい領域の存在。

目、耳、口などの感覚器官の緊張感。

 

このような、ほぼ無自覚な癖は、姿勢や動き方に大きな影響を与えています。

そこに意識を向け、はたらきかけることで、これまでとは違う身体が体験できます。

 

それは、脳の中にあるプログラム、情報、地図、設定を変えることで、身体の変化を促すような作業だと言えるでしょう。

 

トレーニングコースの終わり近く、インストラクターに言われた言葉があります。

「今は感じられないと思うけど、あなたの胸(ハート)の中には、もっと広大な空間がある。それは、もっと大きく、もっと深い」

だから、それを見続けていきなさい、いつか感じられるようになると。

 

その時から、普段の生活や日々のセッション、さまざまな学びの中で、その言葉を心に留めて過ごしました。

 今、「本当にそうだったんだな、それが感じられるようになるんだな」と、感謝の気持ちと共に、その言葉を思い返します。

 

皆さんにも、当然広がっている空間です。

それに気づいていきましょう。

 

ささやかな感覚の違いに目を向け、それに気づき続けることが、大きな変化につながる。

そんなロルフムーブメントから学んだ視点が、僕のロルフィングセッションの核になっていると感じます。

 

体験談 40代女性

 

10シリーズを終えて10日あまりが経ちました。

10回を終えたら、心身共に区切りのついた感じになるのでは」と想像していたのですが、実際には、日々の生活もからだも連続していて、流れるようにすぎていくというのが正直な所です。

だからこそ、習慣や様々な事への意識の向け方が問われるのだなと、あらためて考えているここ数日です。

 

思い起こせば、自分自身で予測のできない不調の連続が受け入れられずに息詰まる中で、どこかに突破口はないのか、できることなら克服する方法はないのかと、特効薬を探すような気持ちで受けてみたいと思ったロルフィングでした。

けれど、そんな気持ちとは全く違う視座から広がる世界があると案内していただいた中で、結果として「息詰まる」ことがぐっと減り、本当の特効薬がどこにあるのか、たくさんのヒントをいただいた事のありがたさを、しみじみと感じています。

 

ヒントだけでなく、実際にからだが楽になった事 ー 特に、穏やかに眠れるようになった事、痛みや負担なく立ち、歩ける事のふたつがもたらしてくれた安心感は本当に大きく、余裕のかけらもなかった、ここ数年の私の生活の質を少しずつ変えてくれつつあります。

そして、からだが楽になるにつれて、気持ちの方にも、考えたり感じたりする余地がうまれていったようにも思います。

 

そんな経過の中で、感じた様々な事は、私にとって「手放す」前に、固く閉めていた引き出しの鍵をひとつずつ開けていく作業のようでした。

開ける中で、ここ数年の私が最も置き去りにしていたのは五感を使うことだったと思い至ったり、忘れ物を思い出すような気分になる事が度々ありました。

思い出しすぎた感もあるのでここから先は引き出しの中の整理を心がけつつ、手放したり、委ねたりすることが実感できるようになりたいと思っています。

 

また、これまでの私には全くなかった発想で、一番考えさせられたのは「痛みを置いていかない」という先生の言葉でした。

激しい痛みのない今だから腑に落ちるのですが、この先、痛みと再会した時に、自分がどう対峙し、どうありたいと思うのか大きな宿題をいただいた気がしています。

 

もうひとつだけ私にとって大きかったのは、先生の手の柔らかさと深さでした。

毎回セッションを受ける度に、手で、という事に限らず、私は周り(人にも物事にも)にどう触れているだろうと、思いをめぐらすきっかけを与えていただいていました。

 

心身共に貴重な体験をさせていただいた事、又、皮膚の事をはじめ、なかなか力が抜けないでいる私に、きっと様々ご配慮いただいていたのだろうなと本当に感謝しています。

ありがとうございました。

色々な気付きに周回遅れな感があり、手放す作業を修了させるには時間がかかりそうですが、それも自分らしさだと受け入れつつ、あわてず、あせらず、すごしていきたいと思います。

 

ワークショップin滋賀

 

1029()滋賀でワークショップを開催しました。

琵琶湖に面し、素晴らしい眺めの「オーパル」さんが会場で、26名の方がご参加下さりました。

これまで試したことのない問いかけをしてみた時、姿勢や動きがどう変わるのかの体験です。

 

21組になり、立った姿勢、歩く様子や感覚などを確かめてからスタートしました。

横になり、身体に置かれたペアの方の手を助けにしながら、言葉での誘導とともに身体に意識を向けていきます。

 

まず、上半身の肩、それから胸郭へ意識を向け、普段とは違うイメージを持ってみる練習をしました。

楽な呼吸を手にするための有効な手段です。

左右交互に、そしてペアの方と役割を交代しながら進めていくので、違いを感じることにも徐々に慣れていきます。

お互いに、歩き方や姿勢の違い、左右差などを報告し合いながら進めましたが、多くの方がちゃんとした変化を感じられているようでした。

 

下半身は骨盤と腿へ意識を向け、新しいイメージを持つことを試しました。

そして、どの部分に働きかけるときも「落ち着いて」いることを強調して、進めます。

普段のロルフィングセッションでも同じですが、このひと手間が、とても大切だと思います。

初めのうちは、当然ながら全体的に緊張感がありましたが、途中から落ち着きが広がり始め、とても良い感じで終了できたと思います。

 

「目線が高くなった」

「肩の力が抜けて、身体が軽い」

「呼吸が楽。息が楽に入ってくる」

「意識するだけで変わるのが不思議だ」

そんな感想を頂きました。

 

「今はいいけど、この良い感覚がすぐに無くなるのではないか」という質問がありました。

確かに、日常生活に戻り、いつもの感じで、いつも通りの気分で生活すると、どうしても、これまでの習慣に戻りやすくなります。

やはり、できるだけ新しい感覚に慣れていくこと、また、その感覚や気分を思い出す機会をなるべく持つことが助けになると思います。

 

心身に積み重ねてきた習慣は、少しづつ変えていく必要があります。

ロルフィングの基本プログラムである10シリーズで、#1呼吸、#2足、#3体側面と回数を重ねていく理由も、長年の習慣の力は強く、身体全体がその影響を受けているため、少しずつ、無理なく、さまざまな視点で全体的に変化を促していく必要があるからです。

 

まずは手の届くところから落ち着いてスタートしましょう。

それで十分です。

今回練習してみた意識の向け方やイメージを繰り返すうちに、少しずつ切り替わっていきます。

 

知覚、感覚のリハビリやトレーニングだと思って、ぜひ続けてみて下さい。

初めは難しく感じられるかもしれませんが、がっかりせず、落ち着いて続けていくと、ちゃんと変化が分かり始めます。

 

また、個人セッションで身体が深く変化することや、ワークショップで他者の手や視点を借りられる機会を利用することも、感覚を深めていく大きな助けとなるでしょう。

そうやって、ご自身で身体を整えていく技術を高め、より快適な日常を手にして頂きたいなと思っています。

 

参加者の皆様、ありがとうございました。

今後も定期的にワークショップをしていきたいと考えています。

ご参加を希望される方や、開催に興味のある方など、またお気軽にお声掛けください。

 

ロルフィングの基本的な考え

 

身体の慢性的な痛みや、姿勢の問題に悩む方は、「施術などで良くなっても、またすぐに戻ってしまい、同じことが繰り返されるんじゃないか」と考えがちではないでしょうか。

あるいは、「きつくても頑張り続けて、良い姿勢を保たないといけない」「これまで頑張ってみたけど駄目だったから変わらない」などという考えになっていることもあるでしょう。

僕も、そんな考えを持っていた一人です。

 

身体の痛み、違和感、思い通りにならないイライラをなんとか解消したいと、ストレッチしたり、ジムでトレーニングしたり、走ったり、本を読んで、正しい姿勢や呼吸を練習したり、色々なことを試してきました。

どれをやっても上手くいかず、余計痛くなったり、苦しくなったり、疲れきって落ち込んだり、また思いついてやってみたりの繰り返しが長く続いていました。

 

そんな時に、ロルフィング10シリーズを経験し、身体の変化とともに、僕のそういった考えは変わりました。

身体は変わる。無理なく、楽に動く可能性はある。

そんなことが感じられて、身体だけでなく、自分の思い込みからも解放され、本当に楽になっていきました。

皆さんにも、そんな体験をして頂きたいと思っています。

 

ロルフィング®は、アメリカ人女性の生化学者アイダ・ロルフ博士(1896-1979)によって始められた「身体の再教育プログラム」です。

彼女は「健康な身体には、重力に調和した無理のないバランスがある」と考えました。

重力と格闘し続けている身体ではなく、重力とうまく関係を取りながら、楽に動けるのが本来の身体であると。

 

皆さんもご存知の通り、家の安定には、柱が垂直で、床が水平であることは欠かせませんね。

同じように、重力の影響をいつも受けている身体にも、重力との関係から、各部分の最適な位置、並び方があるのではないかという視点で、身体を見直したのです。

そして、筋膜という、筋肉や骨、内臓など、あらゆるものを包み、それらを一つにつなげ、形(位置)を決めている結合組織に注目しました。

 

筋膜は身体全体に立体的に広がり、身体の中にある全てのものを包み、つなげている、ひとつながりのものです。

人の形をした、立体的な蜘蛛の巣や、目の細かいハンモックのようなイメージでも良いかと思います。

筋膜は、ケガや偏った動き方などが原因で固くなり、本来の柔軟性が減ってきます。

 

そうなると、固くなった筋膜に包まれている身体の部分の動きが減り、本来の動きや機能を発揮できなくなり、最適な位置から外れます。

スムーズに動けなくなったところを補うために、無理な力を使う必要が生まれると、徐々にそこが固くなり、その影響がまた別のところにという具合に、全身に歪みが広がります。

筋膜はひとつながりなので、どの部分に問題が起きても、程度の差はあれ、他のどの部分にも影響が及ぶということです。

 彼女は、人の姿勢、身体の形を決めるはたらきを持つ、この筋膜ネットワークに、柔軟性と全体のバランスを取り戻すことで、身体の各部分が本来の位置に戻り、重力と調和した身体に戻っていくと考えました。

 

また、彼女は、姿勢(身体の形)に大きな影響を与えている日常動作の癖、習慣を見直し、身体本来のしくみに沿った動きを手にすることが必要だと考えていました。

同じところを繰り返し痛めるような場合、望ましいものではない習慣や癖が理由になっていることが多いからです。

同じスポーツを長年続けることで、偏った身体の使い方になり、たくさん使い続けた部分を痛めやすいのは想像しやすいですね。

 

同様に、日常の立ち方や座り方、歩き方などにも、ただ気付いてないだけの癖や偏りがあります。

それを無自覚に何十年と続け、身体に負担がかかっているかもしれないと想像してみて下さい。

ですから、本来の自然な動きを手にするためには、今現在、日常でどんな動き方をしていて、何が身体に起きているのかに気付くこと、そして望ましくない習慣や癖を手放すことがとても大切になります。

 

このように、筋膜へ働きかける手技の要素と、習慣を見直し、本来の動きを学ぶという運動の要素を組み合わせて行うのが、ロルフィングの特徴と言えます。

ロルフィングで、身体は変わること、自然体で楽に生きられることに気付き、心地の良い毎日を過ごしていけるお手伝いができると嬉しいです。

 

19年目

 

開業して、19年目に入りました。

毎年のことながら、この時期には、もうそんなに時間が経ったのかと感じます。

 

ただ、以前よりも、ロルファーではなかった時のことがイメージしにくくなっているという違いはあります。

やはり、それだけ時間が経ったということですね。

 

ロルフィングの技術を高めたい。

より良いセッションをして、来てくださる方々に喜んで頂きたい。

それは、この仕事を始めた時から、変わらず持ち続けている思いです。

 

そんな中でも、健康やバランス、調和といった、ロルフィングをする上で核となる言葉の捉え方は、年々変化しています。

セッション時に感じ取り、使っている情報の内容も、当初と比べると大きく違ってきました。

 

こんな感じが広がるときは良い。

こんな感じではない方がいい。

セッション中での、そういった内的な感覚も、年々はっきり分かるようになりつつあります。

 

また、自分自身の変化を促すために、日々意識する内容も変わっています。

世界観が変わり、大切にしたいポイントも変化しているからです。

 

ロルフィングの技術の向上のためには、方法だけではなく、自分自身の在り方が変わる必要があること。

それを、年々思い知らされます。

心身のさまざまなレベルで深く変化していかない限り、できないこと、感じられないことがあるようです。

 

だから、それが分かるようになるまで、やれることを続け、心身両面で変化が進んでいくのを待つ。

そのような姿勢で、毎日を過ごしています。

 

そして、その部分が、この仕事を続ける上での大きな楽しみとなっています。

どのように感じ、考えられるようになるのか、そして、どんな身体に変化していくのかを感じながら過ごせるからです。

 

ロルフィングを長く続けてくださる方々も、同じことを話されています。

心身の仕組みが分かってくる面白さがあり、自分がどのように変わっていけるのか楽しみだと。

もちろん、心身ともに健康で、気分良く毎日を過ごせることが、一番の目標なのですが。

 

僕にとっては、日々のロルフィングのセッションは、自分の状態や、成長の度合いを測る大切な機会にもなっています。

より良い方向に進んでいるのか、在り方はどうなっているのかを確認できる瞬間です。

そんな機会をこれまで沢山頂けたこと、本当にありがたいなと感謝しています。

 

来てくださる方々と、自分自身に起きてきた姿勢、体調、症状の改善や、心の安定や緊張感の緩和といった良い変化。

それらが、良い方向に進んでいるのだろうなという安心を与えてくれます。

 

長く続けてきたことで、ロルフィングを、そして、人が持つ健康になる力を、より深いところから信頼できるようになってきました。

継続してきたことの恩恵だと思います。

 

より良いロルフィングのセッションを行えるように、今後も心がけていきます。

19年目も、よろしくお願いします。

 

関節が、存在している身体

 

関節の機能が、十分に発揮されていること。

身体が健康であるための、とても大切な条件です。

 

自然で楽な動きには、多くの関節が、うまく連動して機能することが必要となります。

身体が、本来のデザイン通りに動いている状態ですね。

 

痛みや固さなど、長く不調が続いている部分がある。

また、練習を続けているけど、なかなか上手くできない動きがある。

 

そのような場合、身体が、本来のデザインから離れた動きになっていると考えられます。

関節が、本来の機能を発揮できない状態になっているのですね。

 

ロルフィングのセッションでは、関節の機能を引き出すことを考えていきます。

元々備わっている力に気づき、必要のない力を減らすような作業を通して。

 

「関節があるのが分かる」

「関節が出てきた」

「こんな風に感じていなかった」

セッションで変化した後は、こういった感想を持たれる方は多いです。

 

「動きやすい」

「楽に呼吸できる」

「身体が固くない」

このような言葉も、よく聞かれるコメントです。

 

普段とは違う感覚になる、というところは、皆さん共通しています。

 

「こんなところに関節があるとは、考えたことがなかった」

そういう驚きを持って、関節の存在を知っていく方々がいます。

 

「そこが関節だということは、頭では知っていたけど、なぜか、それを全く考えず、実感することなく過ごしてきた」

そうやって、知っていることと、それを感じることの違いに、驚かれる方も多いです。

関節を使っている、という初めての実感が出ることによって。

 

何もないという設定になっていたところに、関節の存在を思い出すこと。

そこには、とても大きな変化につながる可能性があるのです。

 

ほとんどの方の中に、存在するけど使っていない、関節の機能があります。

せっかくなので、出し惜しみせず、十分に使っていけると良いですね。

 

そのためには、まず、気づく必要があります。

思うつもりなく、そこには何も無いと思っていたことに。

そのきっかけとして、ロルフィングのような働きかけは、とても有効だと思います。

 

関節の存在を思い出し、感じることができると、そこが動き始める。

それがどんな感覚なのか、ご自身で、ぜひ体験してみて下さい。