生きているという現象

 

今年も、四国で自然農をされている方から、はっさくを購入しました。

甘みと酸味のバランスが良く、みずみずしくて本当に美味しいので、毎年喜んで頂いています。

皮をむき眺めていると、きれいだなと感じ、そして、このようなものが木になるという不思議さを考えます。

 

オーガニックファームで働いていた頃に「作物が育つには、種が生きていることが大前提なのだ」ということに、はっとしたのを思い出します。

言葉では知っていたはずが、本当には考えていなかったし、そう感じていなかったのだと気づいた瞬間でした。

 

ロルフィングという、身体を扱う仕事をするにあたっても、これはとても大切な視点だと思っています。

つい、当たり前すぎて忘れがちです。

生きているから動けるし、変化も起きるということを。

 

「身体のこの部分がいきいきしてきた」

「身体が生きているのを感じる」

「私は生きているんだと感じた」

 

セッション中に、こんなコメントをお聞きすることが多いです。

身体感覚から、生きていると実感することが起きるようです。

 

僕らの奥に、生きているという不思議な現象があること。

まずは生きている身体があってのこと。

 

その気づきと感覚の中に生まれる種が、新しい身体との付き合い方へと育っていくように思います。

一息ついて、生きている感覚に意識を向けてみませんか。

 

あけましておめでとうございます

 

あけましておめでとうございます。

新しい年を迎えることができるのは、やはり嬉しいものですね。 

 

皆さんのどんな変化に立ち合せて頂けるのか、また、どんな方と新しく出会うことができるのか、とても楽しみです。

もちろん、自分自身の変化も。

 

今年もよろしくお願いします。

幸せな一年となりますように。

 

2019年、ありがとうございました

 

今年もありがとうございました。

 

これまで通り、今年も継続してお会いできた方々。

回を重ねるほど、年数が増えるほど、皆さんがより良く変化されていくのを感じています。

問いかけた分だけのことはあるのだなと、今年もその思いを強くしました。

 

今年初めてお会いし、新たな可能性を感じて頂けた方々。

これが、より良い展開へのきっかけになったと、後に振り返って頂ける時がくると嬉しいです。

 

それから、ワークショップでのグループワーク、もしくは、このブログでお会いできた方々。

来年は、個人セッションという形でお会いできるのを楽しみにしています。

新しい視点を手にし、何が見え、どう変わるのか、ご自分の身体で体験してみませんか。

 

僕自身もまた、セッションの回数を重ねることができた分だけ、気付きも増え、見え方、感じ方、とらえ方が、また少し変わってきました。

そして、皆さんと言葉のやり取りをする中で、皆さんの言葉から、または自分の発した言葉から、気付かされることも沢山ありました。

 

そんな機会を頂いたこと、感謝しています。

改めて、ありがとうございました。

 

それらを、皆さんに、より良い形で還元できるように心がけていきたいと思っています。

では、皆さんよいお年を。

来年もまた、よろしくお願いします。

 

使えるまでポイントを貯める

 

身体に意識を向けてみる。

身体感覚に注意を払う。

普段との違いに気づいてみる。

今、何が起きているか感じてみる。

 

ロルフィングのセッションで、いつも試みて頂くことです。

はじめのうちは、少し分かりにくいかもしれません。

やってみても、はっきりとしたことが分からず、何にもならなかったと思うこともあるでしょう。

 

それでも、繰り返していると、少しづつ感じられるようになり、いずれはっきりと分かるようになります。

慣れてくるまで、回数が少し必要なのです。

 

それは、ある一定の量が貯まらないと使えないポイントカードの仕組みに似ている気がします。

1ポイントでは使えない。

でも、まずは1ポイントから貯め始める必要があります。

 

はっきりと分からなくても、とにかく一度身体に意識を向けてみる。

それは、少なくとも、1ポイントは貯めることになり、とても意味のあることなのです。

 

そして、ある一定の量に達した時に、その効果が現れてきます。

身体に起きている変化を感じ、違いが分かるようになるのです。

習い事や勉強など、全てに共通のプロセスでしょうね。

 

もちろん、できるだけ少ないポイントから使って頂けるように、あるいは、使える分まで早く貯まるように、ロルフィングのセッションでお手伝いをしたいと思っています。

そして、このように貯めたポイントが消えることはなく、ちゃんと増え続けていくようです。

ですから、安心して繰り返してみて下さい。

 

追悼・モニカ

 

ブラジル人ロルファーで、インストラクターだったモニカが亡くなったと知らされました。

僕のシドニーでのムーヴメントトレーニングコースで、講師を務めてくれたのがモニカです。

 

「教えるのがとても好きだ」と言っていた通り、ロルフィングを教えることに大きな情熱を持っていました。

彼女の講義は、ロルフィングの解釈をする上で、とても大きな助けになり、今の自分の理解の基礎になっていると思います。

安心して接することができるモニカには、折に触れ質問しましたが、いつも丁寧に答えてくれました。

 

トレーニングの講師として日本に来た時は、僕のセッションルームで、個人セッションをお願いしたこともあります。

モニカや他のブラジル人ロルファー達と、京都や奈良を散策したことは、楽しい思い出です。

 

「今はまだ感じられないだろうけど、あなたの胸の中には広大なスペースが広がっている。もっと広く、深く、大きい。そう感じていいのよ。」

トレーニングコースの終わり近くに、そんなニュアンスの言葉をかけてくれました。

緊張を強く抱えていた僕に、大事な何かを伝えようとしてくれたのでしょう。

 

それから10年以上経ちますが、あの時の言葉が、大きな方向性を与えてくれたと思うのです。

当時とは違う、胸の広がりやスペースを感じている自分がいます。

そこには、もっと色々な意味が含まれていたことにも気づきながら。

その感覚を、とても大切なこととして、ロルフィングでお会いする方々に、日々お伝えしています。

 

素晴らしいロルファーだった彼女から、多くのロルファーが学び、多くの人が素晴らしいセッションを受けたことでしょう。

僕の中にある、モニカと接することで発見でき、伸ばすことができた部分。

それを、僕がお会いする方と共有していくことで、モニカの思いやエッセンスは生き続けていくのだと思います。

 

そういったことが、僕だけでなく、多くの人の中で起きていると思うと、モニカに「本当に素敵な人生を送ったね」と声をかけ、感謝の気持ちを伝えたい。

そんな思いが浮かんできます。

 

ありがとう、モニカ。

心より感謝を込めて。

 

機能と構造

 

本来の機能を発揮し、楽に、快適に動ける時の身体。

ロルフィングでは、それを「重力と調和した身体」であると説明します。

 

例えば、棒を支えるような時、垂直に立てる方が斜めにするよりも楽ですね。

また、家の場合を考えてみると、柱は垂直で、床面などは水平だと安定します。

 

身体にも、楽に動け、同時に安定もあるような姿勢、バランスがあるのではないか。

重力に対して最適な、身体の各部分の位置関係、並び方があるのではないか。

それを手にしてみましょう、という視点がロルフィングの特徴です。

 

ロルフィングは、正式には「Structural Integration 」という名称です。

直訳すると「構造の統合」といった言葉になるでしょうか。

 

身体を構成する、さまざまな部分の関係性を考え、つながりやまとまり、位置関係を考える。

全体としてのまとまりを手にしていく。

そういう視点を表しています。

 

良い動き(機能)には、それに見合った、身体の各部分の位置関係、つながり(構造)が必要です。

身体の状態が、どのように動けるのかを決める要素になるからです。

 

一方で、いわゆる良い姿勢、良いバランスの身体(構造)であるには、それに見合う身体の動き方、習慣(機能)が必要です。

日常生活でどのように動いているかが、姿勢や身体のバランスを決める要素になるからです。

 

コインの裏表のようなものだと言えますね。

お互いが影響を与え合うこと、その理解が大切だと思います。

 

ロルフィングでは、その両面に注意を払ってセッションを進めます。

実際に、この2つは、言葉で考えるように分かれてもいないですね。

全体で一つなのです。

 

無人運転

 

「自動運転のようだ」

「勝手に歩いている」

「歩こうと思っていないのに歩いている」

「歩いているけど、歩いている感じがしない」

「誰かに後ろから押してもらっている感じ」

 

ロルフィングのセッション後に歩いた時、よくお聞きする感想です。

 

「歩くのが楽だ」

「どこまでも歩けそう」

そんな言葉が続きます。

 

普段は、歩こうと思って歩いていた。

ちゃんと手を振って、姿勢よく歩こうと考えていた。

そんなことに気づく方が多いです。

 

あまりにも長く慣れ親しんできた自分の歩いている感覚。

これは、無数にある中の一つなのです。

 

身体のまとまりが良くなり、全身で一つの動きができる時。

考えないで、自然に一歩を出せた時。

普段とは違う歩き方になっているのを感じられると思います。

 

自然体で楽に歩くことは、より良い姿勢や心地よく動く身体へと変化する助けになるでしょう。

それは、自然体で楽な生き方にもつながっていくようです。

それに気づきながら、新たな歩き方で、毎日を過ごしてみませんか。

 

変わったら、分かる

 

アメリカでのロルファー養成トレーニング中のことです。

歩き方や立ち方を見て、どこに緊張があるか、どんなパターンがあるか、などを話し合うボディリーディングの時間がありました。

 

「こんなことが起きている」

「ここがこのように動いている」

 

モデルになったクラスメート達を見ながら、講師が話していきます。

でも、どうしても僕にはそのように見えてきません。

ちゃんと見ようとするのですが、何も分からないのです。

 

クラスの後、落ち込みながら「正直さっぱり分からない」と講師に伝えました。

そして「どうしたら分かるようになるのか」「何か見えるようになる方法はないか」と尋ねました。

 

そこで、講師が言ってくれたのがこの言葉でした。

「あなたの身体が変わったら、分かるようになる」

「それまで待ったらいい」

だから大丈夫だ、と言ってくれたのを覚えています。

 

それから、15年が過ぎた今。

本当にそうだったなと感謝しています。

当時と比べると、歩く姿を見る時、色々なことが感じられるようになっているなと思います。

 

少しずつ、自分の身体が変化し、身体感覚が増えるごとに、人の動きも見えるようになる。

なぜだか違いが分かるようになり、感じられるようになる。

そうやって、少しずつ、見えるものや分かることが増えてきたという感じがしています。

もちろん、今でもそれが継続中ですが。

 

どなたにも同じことが言えると思います。

ロルフィングなどを通して、身体が変化する。

すると、それまではよく分からなかったことが、なぜか分かるようになっていた、と。

 

だから、変わってみて、どう見えるようになるのか、どう感じるようになるのか体験してみる。

変わった後の自分で考えてみる。

そんな姿勢も、場合によっては有効ではないかなと思うのです。

 

変わったら、分かる。

だから、急いで、今すぐ分かろうとしなくていい。

変わった後の、分かる自分になるまで待ってみてもいい。

 

そう思えるようになること自体にも、身体を変える力があるのかもしれない。

変わっていく方々を見ながら、そう思っています。

 

緊張を緩める方法とは?

 

緊張して、身体に力が入っているのが分かる。

「力を抜いて」と指摘されている。

リラックスが大事だとは知っている。

だから、なんとかしようと試みているけど、緊張を解くことができず、力が上手く抜けない。

 

ロルフィングを受けようと思った方が、よく悩んでいると話されることです。

僕自身も、長い間、これを何とか変えられないかと模索してきました。

 

肩の力を抜いて生きられるようになる。

自分自身、そしてロルフィングのセッションを通してお会いしてきた方々の変化から、そうなれると実感しています。

 

力を抜く方法を探すというより、楽な身体で生きる練習をする。

心地よく生きる時間を少しずつ増やしてみる。

そんな方向への進み方があります。

 

動き出す時や、何かに集中したり、ちゃんとしようと考え、頑張っている時。

そんな時に、人は、無意識のうちに身体を硬くすることが多いようです。

その反応に気づいてみましょう。

 

ロルフィングのセッションでは、そのような緊張する反応が起きた時に「何か起きてますよ」とお伝えすることができます。

外から見て、触れている側からは、緊張している状態や、固くなる瞬間が感じられるのです。

 

初めのうちは、ピンとこない方が多いです。

「特に何も感じない」

「力を入れているつもりはない」

ほとんどの方がそう言われます。

 

ポイントは、自分ではその反応に気付いていなかったこと。

だから、扱えなかったのです。

 

ロルフィングのセッションの中で、無意識のうちに繰り返してきた、身体を固くする習慣や反応を、日の当たる場所に出すことができます。

そして、ここに、別の可能性への入り口があります。

 

緊張する反応を選択しないとしたら?

それ以外の可能性があるとしたら?

 

そんな問いかけをしてみます。

ここで、穏やかさや軽やかさを選択してみるのです。

 

その問いかけ方を練習し、慣れてもらうこと。

そして、ご自身にそれができる力が備わっていたと実感してもらうこと。

これが、ロルフィングのセッションで得られる大きな価値だと考えています。

 

緊張を選択しない。

穏やかさを選択する。

この、ささやかな、一見すると内面的な作業が、身体に大きな違いを生んでいきます。

 

毎日が生きやすくなっている。

身体が楽になっている。

穏やかさや晴れやかさを感じている。

いずれ、そんなご自分に出会うことになるでしょう。

 

それを選択しようとすれば、それが見えてくる。

僕らの中には、いつもそんな可能性が広がっているのだと思います。

 

流れを感じている身体

 

「何かが流れているような感じがある」

身体が変化して、楽になり、動きやすくなった時の、多くの方に共通する感想の一つです。

 

川の流れのような感覚。

または、空気か風が流れているような感覚。

身体の柔らかさや軽さを感じている時には、何かが流れているような感覚が浮かんでいることが多いようです。

 

それに対して、痛みがあったり、凝りを感じたり、または上手く動いてくれないと感じる部分がある場合。

そこには、何か滞っているような、詰まっているような感覚があるのではないでしょうか。

 

この感覚の違いを手がかりに、身体に変化を促すことができます。

 

「この辺りに流れるような感覚があったら、どんな感じなのだろうか?」

凝りや詰まり、固さを感じている部分に、そんな問いかけをしてみます。

 

すると、かすかに、流れるような感覚の存在が感じられている。

そんな気がしてくるのではないでしょうか。

 

その、一見気のせいのような感覚に気付いてみること。

それがきっかけとなり、少しずつ身体が変化していくようです。

呼吸が楽になったり、凝りや詰まりが気にならなくなったり。

 

始めのうちは、ご自分だけだと分かりにくいかもしれません。

そんな場合は、ロルフィングのセッションでご一緒に練習してみましょう。

 

どんな感じで問いかけると、どんな感じで変化に気付けるのか。

それを体感して頂けると思います。

その問いかける感覚に慣れていくと、いずれご自分だけでも出来るようになるでしょう。

 

「身体の感じ方や浮かぶイメージが変わる時、動き方が変わり、姿勢も変わる」

僕もそうでしたが、半信半疑の方がほとんどではないでしょうか。

 

そんなことで、身体の形や機能が変わるとは思えないのです。

それでも、体験を繰り返すと、そういう仕組みもあるようだと納得されると思います。

 

ご自分で、内側から、身体に変化を促すことができる可能性。

流れるような感覚のある、心地のよい身体から、それに気づいてみませんか。