追悼・モニカ

 

ブラジル人ロルファーで、インストラクターだったモニカが亡くなったと知らされました。

僕のシドニーでのムーヴメントトレーニングコースで、講師を務めてくれたのがモニカです。

 

「教えるのがとても好きだ」と言っていた通り、ロルフィングを教えることに大きな情熱を持っていました。

彼女の講義は、ロルフィングの解釈をする上で、とても大きな助けになり、今の自分の理解の基礎になっていると思います。

安心して接することができるモニカには、折に触れ質問しましたが、いつも丁寧に答えてくれました。

 

トレーニングの講師として日本に来た時は、僕のセッションルームで、個人セッションをお願いしたこともあります。

モニカや他のブラジル人ロルファー達と、京都や奈良を散策したことは、楽しい思い出です。

 

「今はまだ感じられないだろうけど、あなたの胸の中には広大なスペースが広がっている。もっと広く、深く、大きい。そう感じていいのよ。」

トレーニングコースの終わり近くに、そんなニュアンスの言葉をかけてくれました。

緊張を強く抱えていた僕に、大事な何かを伝えようとしてくれたのでしょう。

 

それから10年以上経ちますが、あの時の言葉が、大きな方向性を与えてくれたと思うのです。

当時とは違う、胸の広がりやスペースを感じている自分がいます。

そこには、もっと色々な意味が含まれていたことにも気づきながら。

その感覚を、とても大切なこととして、ロルフィングでお会いする方々に、日々お伝えしています。

 

素晴らしいロルファーだった彼女から、多くのロルファーが学び、多くの人が素晴らしいセッションを受けたことでしょう。

僕の中にある、モニカと接することで発見でき、伸ばすことができた部分。

それを、僕がお会いする方と共有していくことで、モニカの思いやエッセンスは生き続けていくのだと思います。

 

そういったことが、僕だけでなく、多くの人の中で起きていると思うと、モニカに「本当に素敵な人生を送ったね」と声をかけ、感謝の気持ちを伝えたい。

そんな思いが浮かんできます。

 

ありがとう、モニカ。

心より感謝を込めて。

 

体験談 40代女性

 

忍先生のロルフィングに出会ったのは、神戸市民大学講座のワークショップでした。

ロルフィングをうけてみようと思ったのは、バレエの発表会を前に、「35歳過ぎてから始めたとはいえ、10年以上もバレエの練習をしていて、この動きしか出来ないのは、何か身体のつかい方が間違っているのでは?」と疑問を持ったからです。

もっとも、サボる事も多々ありましたが。

それに、仕事が忙しくなってきて、このままでは、今までのように、途中で高熱を出して、数日寝込んでしまう心配があったからです。

 

神戸から京都まで、少々遠いですが、同じロルフィングを受けるなら忍先生がいいよ、という事で、発表会前に行きました。

ロルフィングをうけたのは大正解だった様で、バレエの発表会はうまくいきました。

 

もちろん技術力は、未熟以外の何ものでもありませんが、気持ちよく身体を動かす事が出来、何より自分の身体の動きに納得し、心が満足出来ました。

また、バレエに関しては素人の夫や妹も、毎回私の踊りを見て爆笑していたのが、「今までと全然動きが違う!よかったよ~」と、初めてほめてくれました。(私のバレエは、踊りと言うにはあまりにお粗末で、動きと言われます)

 

それから、身体が緩まったら、心も緩まる?

緊張の種類が変わったというか、頑張った後や、気を張って仕事をした後などに、高熱を出すことなく、意外に元気に、忙しい日々をやり過ごせるようになったのは驚きでした。

 

あと、今までだったら、こうしなければ、こうするのが当たり前的に選択して行動していましたが、最近は、自分の身体や気持ちを、大事に尊重する事を覚えました。

なので、同じ選択をするにしても、こうしなければ、で選択するより、自分の気持ちを大事にした上で、納得して選択し行動すると、イヤだなと思う方を選択しても、疲労度などが少なくてとても楽です。

 

ロルフィングは、ボディーワークなので、理論が腑に落ちやすい気もします。

施術中、歩いてみた感覚を聞かれた時、「般若心経がわかった気がしました」と言ったら、先生にすごく同意をしてもらえ面白かったです。

 

ただ、この「気がする」が大事な様で、わかった!となると、自分で枠や概念を作り、そこからまた縛りができるのでちょっと違うみたいです。

あくまで、気がする、とか問いかけで止めて、明確な答えを出さない・探しに行かない・・・。

 

結局、バレエは私には向いていない様な気がするし、身体を無理に動かしている様な気がして、今はやめています。

それでも体力が落ちる事なく、元気でいられるので、なんとも不思議な世界のロルフィングです。

 

ワークショップ@滋賀の感想

 

「こんなに深い呼吸ができたのは初めて」

「身体が軽くなった」

「手を置いているだけで、これほどの変化があるなんて不思議」

「初めての感覚」

「腰痛(肩こり)が、とても楽になった」

「言葉にできない不思議な体験だった」

「当日は昼からも身体が動きやすく気持ちいい1日を過ごせた」

「こんなに自分の身体を意識したのは初めて」

 

先日の滋賀・大津でのワークショップに参加された方々から、上記のような感想を頂きました。

 

多くの方にとって、ほとんど馴染みのない方法だったと思います。

それでも皆さん、分からないなりに、落ち着いてトライして下さりました。

 

ほんの少しのことで身体が変わる。

それを体感して頂けたようで良かったなと思っています。

 

僕自身が、慢性的な痛みや緊張感から解放される過程で、特に役に立ったこと。

ロルフィングを通して、それをお伝えできると良いなという思いがあります。

 

ほんの少し、視点を変えたり、感じ方を変えたり、意識を変えたりするだけのことが、大きな違いにつながっていく。

そんな方法を、少しでも多くの方と共有し、心地よく生きる人が増えるなら、とても嬉しいことです。

 

今、手の届く感覚の中に、ちゃんと変化への入り口があります。

それを体験し、日常生活の中で、ご自身の身体で納得していって下さい。

 

滋賀・大津でのワークショップ

 

久しぶりのワークショップを、初めての滋賀で開催しました。

会場は大津市の勤労福祉センターです。

 

今回は、滋賀でフィットネスのインストラクターをされているお二人が、声をかけて下さった25名の方にご参加頂きました。

 

身体の感覚に目を向け、変化に気づくこと。

感じ方やイメージが変化すると、実際に身体にも変化が現れること。

落ち着きを取り戻し、楽に呼吸する身体になると、姿勢や動きが良くなっていくこと。

 

そういったことを、実際に身体で感じ、体験する機会にして頂きたいなと思っていました。

僕自身が、長く続いていた身体の痛みや緊張の改善に、大きく役立ったと感じているからです。

 

「なんとかなるのかもしれない」

「こんな少しのことだけでも身体は変わる」

「何かが少し変わるだけで、どうしてもできなかったことが、すんなりできることがある」

 

そんなことを感じ、今、手の届く感覚の中に、変わるための手がかりがあるようだと安心すること。

それは、身体の深いところにある緊張を解くための、大切な一歩になると考えています。

今回の体験が、そのきっかけになれば良いなと思っていました。

 

ワークショップは、2人組みになり、僕の言葉の誘導で進める形です。

受け手の方と、手で身体に触れる方に分かれ、交互に行いました。

 

「歩き方が変わった」

「肩が軽くなった」

「腰が楽になった」

終わった後には、そんな感想を含め、それぞれの方なりの気付きがあったことをお聞きすることができました。

 

初めての皆さんも、身体に意識を向け、感覚に気付くことを上手にされていました。

個人セッションに来て頂いている方々は、ペアワークで触れる側になることで、ご自身で体験されていたことを、新たな視点で捉えることができたようです。

 

琵琶湖が見える素敵な場所で、落ち着きのある皆さんの在り方のおかげで、良い空気感でのワークショップになったなと思います。

個人セッションとは違う感覚があり、僕にも楽しい時間となりました。

ご参加下さった方、ありがとうございました。

 

また近いうちに開催できたらと思っています。

ワークショップに興味のある方、いつでも声をかけて下さい。

 

機能と構造

 

本来の機能を発揮し、楽に、快適に動ける時の身体。

ロルフィングでは、それを「重力と調和した身体」であると説明します。

 

例えば、棒を支えるような時、垂直に立てる方が斜めにするよりも楽ですね。

また、家の場合を考えてみると、柱は垂直で、床面などは水平だと安定します。

 

身体にも、楽に動け、同時に安定もあるような姿勢、バランスがあるのではないか。

重力に対して最適な、身体の各部分の位置関係、並び方があるのではないか。

それを手にしてみましょう、という視点がロルフィングの特徴です。

 

ロルフィングは、正式には「Structural Integration 」という名称です。

直訳すると「構造の統合」といった言葉になるでしょうか。

 

身体を構成する、さまざまな部分の関係性を考え、つながりやまとまり、位置関係を考える。

全体としてのまとまりを手にしていく。

そういう視点を表しています。

 

良い動き(機能)には、それに見合った、身体の各部分の位置関係、つながり(構造)が必要です。

身体の状態が、どのように動けるのかを決める要素になるからです。

 

一方で、いわゆる良い姿勢、良いバランスの身体(構造)であるには、それに見合う身体の動き方、習慣(機能)が必要です。

日常生活でどのように動いているかが、姿勢や身体のバランスを決める要素になるからです。

 

コインの裏表のようなものだと言えますね。

お互いが影響を与え合うこと、その理解が大切だと思います。

 

ロルフィングでは、その両面に注意を払ってセッションを進めます。

実際に、この2つは、言葉で考えるように分かれてもいないですね。

全体で一つなのです。

 

無人運転

 

「自動運転のようだ」

「勝手に歩いている」

「歩こうと思っていないのに歩いている」

「歩いているけど、歩いている感じがしない」

「誰かに後ろから押してもらっている感じ」

 

ロルフィングのセッション後に歩いた時、よくお聞きする感想です。

 

「歩くのが楽だ」

「どこまでも歩けそう」

そんな言葉が続きます。

 

普段は、歩こうと思って歩いていた。

ちゃんと手を振って、姿勢よく歩こうと考えていた。

そんなことに気づく方が多いです。

 

あまりにも長く慣れ親しんできた自分の歩いている感覚。

これは、無数にある中の一つなのです。

 

身体のまとまりが良くなり、全身で一つの動きができる時。

考えないで、自然に一歩を出せた時。

普段とは違う歩き方になっているのを感じられると思います。

 

自然体で楽に歩くことは、より良い姿勢や心地よく動く身体へと変化する助けになるでしょう。

それは、自然体で楽な生き方にもつながっていくようです。

それに気づきながら、新たな歩き方で、毎日を過ごしてみませんか。

 

変わったら、分かる

 

アメリカでのロルファー養成トレーニング中のことです。

歩き方や立ち方を見て、どこに緊張があるか、どんなパターンがあるか、などを話し合うボディリーディングの時間がありました。

 

「こんなことが起きている」

「ここがこのように動いている」

 

モデルになったクラスメート達を見ながら、講師が話していきます。

でも、どうしても僕にはそのように見えてきません。

ちゃんと見ようとするのですが、何も分からないのです。

 

クラスの後、落ち込みながら「正直さっぱり分からない」と講師に伝えました。

そして「どうしたら分かるようになるのか」「何か見えるようになる方法はないか」と尋ねました。

 

そこで、講師が言ってくれたのがこの言葉でした。

「あなたの身体が変わったら、分かるようになる」

「それまで待ったらいい」

だから大丈夫だ、と言ってくれたのを覚えています。

 

それから、15年が過ぎた今。

本当にそうだったなと感謝しています。

当時と比べると、歩く姿を見る時、色々なことが感じられるようになっているなと思います。

 

少しずつ、自分の身体が変化し、身体感覚が増えるごとに、人の動きも見えるようになる。

なぜだか違いが分かるようになり、感じられるようになる。

そうやって、少しずつ、見えるものや分かることが増えてきたという感じがしています。

もちろん、今でもそれが継続中ですが。

 

どなたにも同じことが言えると思います。

ロルフィングなどを通して、身体が変化する。

すると、それまではよく分からなかったことが、なぜか分かるようになっていた、と。

 

だから、変わってみて、どう見えるようになるのか、どう感じるようになるのか体験してみる。

変わった後の自分で考えてみる。

そんな姿勢も、場合によっては有効ではないかなと思うのです。

 

変わったら、分かる。

だから、急いで、今すぐ分かろうとしなくていい。

変わった後の、分かる自分になるまで待ってみてもいい。

 

そう思えるようになること自体にも、身体を変える力があるのかもしれない。

変わっていく方々を見ながら、そう思っています。

 

緊張を緩める方法とは?

 

緊張して、身体に力が入っているのが分かる。

「力を抜いて」と指摘されている。

リラックスが大事だとは知っている。

だから、なんとかしようと試みているけど、緊張を解くことができず、力が上手く抜けない。

 

ロルフィングを受けようと思った方が、よく悩んでいると話されることです。

僕自身も、長い間、これを何とか変えられないかと模索してきました。

 

肩の力を抜いて生きられるようになる。

自分自身、そしてロルフィングのセッションを通してお会いしてきた方々の変化から、そうなれると実感しています。

 

力を抜く方法を探すというより、楽な身体で生きる練習をする。

心地よく生きる時間を少しずつ増やしてみる。

そんな方向への進み方があります。

 

動き出す時や、何かに集中したり、ちゃんとしようと考え、頑張っている時。

そんな時に、人は、無意識のうちに身体を硬くすることが多いようです。

その反応に気づいてみましょう。

 

ロルフィングのセッションでは、そのような緊張する反応が起きた時に「何か起きてますよ」とお伝えすることができます。

外から見て、触れている側からは、緊張している状態や、固くなる瞬間が感じられるのです。

 

初めのうちは、ピンとこない方が多いです。

「特に何も感じない」

「力を入れているつもりはない」

ほとんどの方がそう言われます。

 

ポイントは、自分ではその反応に気付いていなかったこと。

だから、扱えなかったのです。

 

ロルフィングのセッションの中で、無意識のうちに繰り返してきた、身体を固くする習慣や反応を、日の当たる場所に出すことができます。

そして、ここに、別の可能性への入り口があります。

 

緊張する反応を選択しないとしたら?

それ以外の可能性があるとしたら?

 

そんな問いかけをしてみます。

ここで、穏やかさや軽やかさを選択してみるのです。

 

その問いかけ方を練習し、慣れてもらうこと。

そして、ご自身にそれができる力が備わっていたと実感してもらうこと。

これが、ロルフィングのセッションで得られる大きな価値だと考えています。

 

緊張を選択しない。

穏やかさを選択する。

この、ささやかな、一見すると内面的な作業が、身体に大きな違いを生んでいきます。

 

毎日が生きやすくなっている。

身体が楽になっている。

穏やかさや晴れやかさを感じている。

いずれ、そんなご自分に出会うことになるでしょう。

 

それを選択しようとすれば、それが見えてくる。

僕らの中には、いつもそんな可能性が広がっているのだと思います。

 

流れを感じている身体

 

「何かが流れているような感じがある」

身体が変化して、楽になり、動きやすくなった時の、多くの方に共通する感想の一つです。

 

川の流れのような感覚。

または、空気か風が流れているような感覚。

身体の柔らかさや軽さを感じている時には、何かが流れているような感覚が浮かんでいることが多いようです。

 

それに対して、痛みがあったり、凝りを感じたり、または上手く動いてくれないと感じる部分がある場合。

そこには、何か滞っているような、詰まっているような感覚があるのではないでしょうか。

 

この感覚の違いを手がかりに、身体に変化を促すことができます。

 

「この辺りに流れるような感覚があったら、どんな感じなのだろうか?」

凝りや詰まり、固さを感じている部分に、そんな問いかけをしてみます。

 

すると、かすかに、流れるような感覚の存在が感じられている。

そんな気がしてくるのではないでしょうか。

 

その、一見気のせいのような感覚に気付いてみること。

それがきっかけとなり、少しずつ身体が変化していくようです。

呼吸が楽になったり、凝りや詰まりが気にならなくなったり。

 

始めのうちは、ご自分だけだと分かりにくいかもしれません。

そんな場合は、ロルフィングのセッションでご一緒に練習してみましょう。

 

どんな感じで問いかけると、どんな感じで変化に気付けるのか。

それを体感して頂けると思います。

その問いかける感覚に慣れていくと、いずれご自分だけでも出来るようになるでしょう。

 

「身体の感じ方や浮かぶイメージが変わる時、動き方が変わり、姿勢も変わる」

僕もそうでしたが、半信半疑の方がほとんどではないでしょうか。

 

そんなことで、身体の形や機能が変わるとは思えないのです。

それでも、体験を繰り返すと、そういう仕組みもあるようだと納得されると思います。

 

ご自分で、内側から、身体に変化を促すことができる可能性。

流れるような感覚のある、心地のよい身体から、それに気づいてみませんか。

 

部分が全体の一部だと思い出せた時

 

ある部分のはたらきは、全体との関係に影響を受けます。

その部分だけでは、その機能を十分に発揮できない、と言えるでしょうか。

 

ある部分の感覚だけがある場合。

そうではなく、全体の一部としての感覚もあり、部分でもあると感じられている場合。

その両者には、大きな違いが生まれるようです。

 

例えば、長い間、腰に痛みを抱えていると、腰の辺りの感覚や意識が高くなりがちです。

結果的に、他の部分や、身体全体への意識が低くなっていることが多いです。

無意識のうちに。

 

すると、腰が全体と調和した動きをしにくい状態になるようです。

そこで、少しづつ、身体全体の中での腰だという感覚を練習してしてみます。

他の部分にも意識を向ける時間を割いてみるのです。

 

すると、腰の感じ方、動き方に、違いが見え始めます。

 

それまでには感じられてなかった動きが現れる。

柔らかい感じになっている。

痛みが変わっている。

そんなことが起きたりします。

 

身体全体とのつながりがある時、腰のはたらきが違ったものになるのです。

 

部分は全体に影響し、全体は部分に影響します。

ある部分が全体と調和した時、どんな感じになり、どう動くのか。

それを体感してみるのは、とても価値のある経験だと思います。

 

部分は、そこだけでは存在せず、その部分だけでは十分に機能しない。

だから、それぞれの部分が、全体の中に調和することが大事ではないか。

 

それを身体で理解することが、ロルフィングの大きなテーマです。