あけましておめでとうございます。
引き続きお目にかかることができる方、それから、今年から新たにお会いできる方、皆さんとのセッションの機会を楽しみにしています。
それぞれの人が、心地よく、本来のその人らしく、自然体で生きていけるようになると、より優しさや思いやりのある社会に変化していくのだろうなと、思います。
日々のセッションが、少しでも、そんな方向に進むきっかけになることを願って。
今年もよろしくお願いします。
心地のよい身体で生きる
あけましておめでとうございます。
引き続きお目にかかることができる方、それから、今年から新たにお会いできる方、皆さんとのセッションの機会を楽しみにしています。
それぞれの人が、心地よく、本来のその人らしく、自然体で生きていけるようになると、より優しさや思いやりのある社会に変化していくのだろうなと、思います。
日々のセッションが、少しでも、そんな方向に進むきっかけになることを願って。
今年もよろしくお願いします。
身体の慢性的な痛みや、姿勢の問題に悩む方は、「施術などで良くなっても、またすぐに戻ってしまい、同じことが繰り返されるんじゃないか」と考えるようになるかもしれません。
あるいは、「きつくても頑張り続けて、良い姿勢を保たないといけない」「生まれつきだから仕方がない」「これまで頑張ってみたけど駄目だったから変わらない」などという考えになっていることもあるでしょう。
僕も、そんな考えを持っていた一人です。
身体の痛み、違和感、思い通りにならないイライラをなんとか解消したいと、ストレッチしたり、ジムでトレーニングしたり、走ったり、本を読んで、正しい姿勢や呼吸を練習したり、色々なことを試してきました。
どれをやっても上手くいかず、余計痛くなったり、苦しくなったり、疲れきって落ち込んだり、また思いついてやってみたり…の繰り返しが長く続いていました。
そんな時に、ロルフィング10シリーズを経験し、身体の変化とともに、僕のそういった考えは変わりました。
身体は変わる。無理なく、楽に動く可能性はある。
そんなことが感じられて、身体だけでなく、自分の思い込みからも解放され、本当に楽になっていきました。
皆さんにも、心地のよい身体で、楽に生きられる新しい感覚を味わってみてほしいと思います。
ロルフィングは、本来の身体のバランス、調和を取り戻し、生きやすくなっていくための、大きな手がかりとなるでしょう。
ロルフィング®は、アメリカ人女性の生化学者アイダ・ロルフ博士(1896-1979)によって始められたもので、ロルフィング身体統合法(Structural Integration)と呼ばれる “身体の再教育プログラム” です。
彼女は、健康な身体には、重力に調和した無理のないバランスがある、と考えました。
重力と格闘し続けている身体ではなく、重力とうまく関係を取りながら、楽に動けるのが本来の身体である、と。
皆さんもご存知の通り、家の安定には、柱が垂直で、床が水平であることは欠かせませんね。
同じように、重力の影響をいつも受けている身体にも、重力との関係から、各部分の最適な位置、並び方があるのではないかという視点で、身体を見直したのです。
そして、筋膜という、筋肉や骨、内臓など、あらゆるものを包み、それらを一つにつなげ、形(位置)を決めている結合組織に注目しました。
筋膜は身体全体に立体的に広がり、身体の中にある全てのものを包み、つなげている、ひとつながりのものです。
人の形をした、立体的な蜘蛛の巣や、目の細かいハンモックのようなイメージでも良いかと思います。
筋膜は、ケガや偏った動き方などが原因で固くなり、本来の柔軟性が減ってきます。
そうなると、固くなった筋膜に包まれている身体の部分の動きが減り、本来の動きや機能を発揮できなくなり、最適な位置から外れます。
スムーズに動けなくなったところを補うために、無理な力を使う必要が生まれると、徐々にそこが固くなり、その影響がまた別のところに…という具合に、全身に無理が広がります。
筋膜はひとつながりなので、どの部分に問題が起きても、程度の差はあれ、他のどの部分にも影響が及ぶということです。
彼女は、人の姿勢、身体の形を決めるはたらきを持つ、この筋膜ネットワークに、柔軟性と全体のバランスを取り戻すことで、身体の各部分が本来の位置に戻り、重力と調和した身体に戻っていくと考えました。
このように、重力との関係、筋膜ネットワーク全体のバランス、という視点から、身体全体を整えようと考えるのが、ロルフィングの大きな特徴です。
また、彼女は、姿勢(身体の形)に大きな影響を与えている日常の癖、習慣を見直し、身体本来のしくみに沿った動きを手にすることが必要だ、と考えていました。
同じところを繰り返し痛めたり、症状が繰り返される場合、望ましいものではない習慣や癖が理由になっていることが多いからです。
同じスポーツを長年続けることで、偏った身体の使い方になり、たくさん使い続けた部分を痛めやすいのは想像しやすいですね。
同様に、日常の立ち座り、歩きなどにもそういった偏りがあり、ただ気付いてないだけで、何十年と続け、身体に負担がかかっていると思ってみて下さい。
ですから、本来の自然な動きを手にするためには、日常でどんな動きをし、何が身体に起きているのかに気付き、習慣や癖を手放すことが大切になります。
それを練習するのもまた、ロルフィングの大きな特徴です。
このような観点から、ロルフィングでは
①身体に触れながら、筋膜という身体全体に広がる膜組織を中心とした、結合組織のネットワーク全体のバランスを整えること
②習慣を見直し、本来の身体の動きを取り戻していくこと
の2つを組み合わせながら、”重力と調和した、楽に動ける健康な身体” を目指しています。
アイダ・ロルフは「ロルフィングは治療ではなく、教育だ」という言葉を残しています。
そこには、その人自身が主体的に参加し、身体との関係を見直し、自分の身体に責任を持つようになってほしい、という思いが表れています。
また「身体が適切に働き始めると、重力が身体の中を流れ、自然に身体が治っていく」という言葉も残しています。
ここには、身体には本来備わっている自己調整力があり、それが作用するのであって、誰かが治したりするのではない、という視点があります。
これらの言葉に、ロルフィングの基本的な立ち位置がよく表現されていると思います。
ロルフィングで、身体は変わること、自然体で楽に生きられることに気付き、心地の良い毎日を過ごしていけるお手伝いができると嬉しいです。
ロルフィングを始めたアイダ・ロルフ博士は、ロルフィングのテーマである “重力と調和した身体” になるためのエッセンスを10回のシリーズにまとめ、教え始めました。
これがロルフィングの基本プログラムである “10シリーズ”で、レシピと呼ばれています。
僕がロルフィングのトレーニングコースで学んでいる時のインストラクターは、20年近くロルファーとしての経験を持っていました。
その彼が「今回、クラスで教えるために、10シリーズというプログラムを見直してみて、本当に良くできているものだと改めて感じている」と話してくれたことが、印象に残っています。
そして今、その言葉の意味が、以前にも増して、分かるようになってきました。
ロルフィング10シリーズの良いところは、10回の連続したセッションを通して、身体全体が重力と調和し、本来の動きを取り戻す力を育てていくことにあります。
傾いてしまった家のドアが開かなくなった時に、ドアだけを直すのではなく、家全体の傾きを直すことが根本的に必要になりますね。
同じように、部分的に起きているように見える問題でも、身体全体のバランスを整える視点を持っていることで、より継続する変化にすることができるのです。
例えば、下半身が不安定で、肩に力を入れる姿勢になっている方は、肩をマッサージしてみても、しばらくするとまた固くなり、肩凝りの状態に戻ってしまうことが考えられますね。
もし、肩の変化とともに、下半身のバランスも良くなれば、肩の柔らかい状態は続きやすいでしょう。
身体の全ての部分に同じことが言えます。
膝は、足首の影響を受けるし、その逆もあります。股関節は膝と密に関係しているので、どちらの不具合も、お互いに影響を与えることになるでしょう。
ですから、身体の変化のためには、それが受け入れられるような条件を整えながら、身体全体でのバランスやまとまりを大切にする視点が必要になります。
10シリーズの1回目のセッションでは、深い呼吸がテーマで、胸郭や横隔膜を解放するような内容で行われます。
それが、2回目以降のセッションでの変化を受け入れやすい身体への助けにもなっています。
そして、少し間隔をあけた2回目のセッションでは、足がちゃんと地面に着地するように働きかけます。
足に安定感が増えてくると、身体全体が安定するので、3回目以降の身体の深い部分の解放へ準備ができてくる、という具合です。
連続する10シリーズには、そのような系統立てられた部分に強みがあります。
それから、習慣を見直し、身体本来の動きを取り戻すという点から考えても、10回継続することには良さがあります。
様々な習い事をするのと同じですね。回数を重ね、慣れることで上達するからです。
楽に呼吸すること、肩を楽にして立つこと、緊張に気付き、ゆるめることなど、初めは難しくても、少しづつ練習し、回数を重ねることで、誰でもできるようになっていきます。
僕自身をはじめ、ロルフィングを受けて下さっている多くの方々がそうであったように。
できるだけスムーズに、良い変化が起きるように、皆さんそれぞれの特徴に合わせて、様々な方法、言葉がけを組み合わせながら、お手伝いします。
自分の慣れた視点や感覚ではなく、他者の視点、ロルファーの手があると変化が起きやすく、感じやすいものです。
僕自身も、ロルフィングの受け手になる時は、いつも思います。
これは1人だと分からないな、人の手があるとスムーズだな、楽だなと。
ロルファーは触媒のような存在とも言えますね。自分以外だから効果があるのです
加えて、日常生活での意識の持ち方、有効なイメージなどをご紹介して、各回の間に練習してもらいます。
次のセッションで、それが役立ったかどうかの確認をしてから、また新しい情報や感覚をご紹介して、次回まで意識して過ごして頂く、という流れになっています。
回を重ねるごとに、身体の柔軟性、適応力も増し、身体とのコミュニケーションがスムーズになっていくことが感じられるようになるでしょう。
そうやって、自分の身体と上手にやり取りができる神経回路を育てていくプロセスが、ロルフィング10シリーズです。
各セッションの内容とテーマは、簡単にまとめると以下のようになります。
1. 胸部・横隔膜を中心にしたワーク(自由な呼吸)
2. 足を中心としたワーク(身体の支え、地面への適応)
3. 身体の側面へのワーク(身体の奥行き、前後への広がり)
4. 脚の内側,骨盤底へのワーク(身体の中の広がり、支え)
5. 大腰筋を中心としたワーク(腹腔のバランス)
6. 背中側全体へのワーク(背骨全体のつながり)
7. 頭・首を中心としたワーク(頭と首のバランス)
8.9. 身体が全体として機能するよう、つなげていくワーク
10. 全体のバランスを考え、まとめるワーク
ロルフィング10シリーズを通して、心地よく生きられる身体を手にして、皆さんが可能性を広げていくお手伝いができると嬉しいです。
まだ試したことのない方法があり、見たことのない自分が存在します。
ぜひ、新しい感覚を味わい、楽しんで下さい。
僕は、思うようにならない姿勢や、楽にできない身体の状態にずっと悩み、試行錯誤してきました。
ロルフィングで、それが変わり、身体を楽にする手がかりが分かってきました。
ロルフィングセッションの大きな特徴は、受け手本人に参加してもらうことです。
誰かに、身体を外部から治してもらうことだけでは、本当の変化は継続していかないのではないか。
その人自身が、自分の身体に目を向け、付き合い方を変えることが、健康を保つのに欠かせないのではないか、という考えが基本にあります。
日常での身体の使い方、日々の過ごし方が、姿勢や健康に大きく影響します。
ですから、そこが変化すれば、身体もちゃんと変わってくれると言えます。
僕は、この視点、関わりをロルフィングセッションで学び、大きく助けられました。
そんな経験もあり、僕は、セッションの中で、習慣や癖に気付き、それを手放す練習に、時間を多めに使う傾向があると思います。
アメリカでロルフィングを教えていた先生が「あなたの部屋の歩き方が、あなたの人生の歩き方だ」というような言葉を残しています。
同じように、人生の歩き方が、部屋の歩き方に現れているとも言えます。
どのような価値観で、どんなことを考えて生きているのかが、動き方に大きな影響を与えているということです。
ロルフィングコミュニティーは、動きの変化を通して、身体(姿勢)の変化を探っていくアプローチを “ロルフムーヴメント” と名付け、発展させてきました。
ロルファーの認定とは別に、ロルフムーブメントの資格認定トレーニングがあります。
僕はロルファーになって3年目に、シドニーでのトレーニングコースに参加しました。
そこでは教え方よりも、ロルファー自身が、自分の身体への気付きを高めること、知覚パターンを変化させることに主眼が置かれていました。
大きな助けになったのは、立ち方、座り方、動き方、呼吸などを、正しくしようと考えてもできない仕組みのようだ、という気付きでした。
ちゃんとしようと考えて、力まなくていいんだという開放感が広がっていったのを覚えています。
正しい動きを覚える訳ではなく、自然な動きが現れやすいように、問いかけ方を学んでいくという感じでした。
気付かないところに、さまざまな理由からの癖やパターンがあり、それが条件反射的に繰り返されていることが、不調や痛みの原因になってきます。
ちゃんとしようと思うことで、身体の奥が収縮すること。
無意識で続けられている、小さい時に覚えた背中を緊張させる立ち方。
なんとなくうろ覚えの骨や筋肉の知識と、実際の身体とのズレ。
身体の内部や、周辺にある、空間を感じにくい領域の存在。
目、耳、口などの感覚器官の緊張感。
これらは、どれも姿勢や動きの癖に大きな影響を与えています。
普段はあまり目を向けない、このようなところに意識を向け、気付いていくことで、これまでとは違う自分の身体に出会い始めます。
身体に問いかけ、脳の中にあるプログラム、情報、地図、設定を変えることで、身体の変化を促すような作業だと言えます。
正しい姿勢がとれない、簡単な動きが楽にできない、と思い悩んでいる方に、ぜひ知ってもらいたい内容です。
トレーニングコースの終わり近く、インストラクターに言われた言葉があります。
「今は感じられないと思うけど、あなたの胸(ハート)の中は、もっと広く、もっと深い。広大な空間、スペースが広がっている」
それを見ていきなさい、いつか感じられるようになる、と。
それから、普段の生活や、日々のセッション、さまざまな学びの中で、その意味を考えてきました。
今、振り返ってみて、本当にそうだったんだなと、彼女の言葉を思い返しています。
ささやかな感覚の違いに目を向け、それに気付くことを繰り返すことで、ちゃんとした変化になっていく。
そんなロルフムーブメントから学んできた視点は、他のさまざまな学びと同様に、普段のロルフィングのセッションで、常に大切にしています。
私は 運動指導者です。
長年のハードワークで膝を痛めて手術をしました。
ボディーケアの重要性を痛感して勉強する中で「ロルフィング」と出会いました。
忍先生のナビゲーションのもとで、心身の感じ方や反応に「癖」と「こだわり」が有る事を発見しました。
それらは経験と習慣に基づく脳からの指令です。
その為、いくら運動やマッサージをしても、脳の指令が従来のままだと、姿勢や動作は変わらず、故障は繰り返されます。
今までの心身の捉え方を手放し、穏やかなイメージに置き換える脳トレをしてきました。
心身の扱い方が変わってくると、窮屈さは消えて、縛られていた「こだわり」からも距離が持てて、≪生き方≫までも楽になりました。
運動指導において、伝えたい本質が変わったのは言うまでもありません。
月1回のセッションは貴重なリセットの時間です。
3年前、股関節の痛みと家族の問題に、「何かは分からないけれど、どうにかしなければ生き続けられない」という出口の無い苦しさの中で、忍先生のロルフィングに出会いました。
セッションの後の自分から溢れる清々しさ、優しさ、温かさや静けさが、思い込みの肉体や思考の制限、手放せないと思い続けてきたものを少しずつ、少しずつ荷物を下ろす様に軽くする経験を積んでいます。
手術への不安も家族の問題も身体そのものでさえ、幻想のストーリーの産物でしかない事に気付くと、何があっても「気付きの源である清々しさ」の中に在りたいと願うこの頃です。
しかし残念な事に、幻想のストーリーは巧みに素早く「今」に滑り込み、「清々しさ」はストーリーの霧の中に消えてしまいます。
だから、ロルフィングでの「気付きの源」へのアクセスが、私には何よりも大切なのです。
N次元 耳を澄ませば 永遠のはな
拙い句ですが、ロルフィングを経て生まれました。
ロルフィングは、次元を超えた広がりを実感します。
たまたまロルフィングを体験できる機会があり、施術(体の各部分に空気が入るイメージで呼吸する)をしてもらった後、体の部分が大きくなるような広がりを感じ、いつもと違う体の感覚を実感したので、受けてみようと思いました。
若い頃から色々なスポーツをしていましたが、力(外力)を使い、右肩の腱板断裂をおこしてしまいました。結果、腕を上げる時に痛みがあったり、夜、肩の痛みで目が覚めるほど、いつも痛みに悩まされていました。
受け始めた頃に、3Dで筋肉図、骨格図などを使って、体のしくみや、腕が上がる、膝が曲がる等の運動のしくみを教えて頂いたことが、とても良かったです。
腕が上がるとは、体がどういう動きをしているのか、ということをイメージをして上げるようにすると、あまり痛みもなく楽に上げられるようになり、整形医もびっくりされるほどでした。
徐々に痛みがとれてきて、体の使い方で、こうも変わるものかということを実感しました。完全断裂している為、たまに痛みがおこることもありますが、あまり悩まなくなりました。
経験を積むごとに、いびつな体は、自分の性格や、体の外ばかりに目がいって、内なるものを使ってこなかったから起こってきたことが分かり、目からウロコでした。
体、脳、心。この3つの関係がうまくつながることで、楽で動きやすい体になるということが理解出来るようになってきました。
歳を重ねてきていますが、実感として、自分なりに、運動パフォーマンスが以前より良くなってきているように思います。
イメージしたことが体に伝わり、動いてくれるようになってきています。
お陰様で、施術を受けるたびに、新たな自分の体に出会え、今やっと、体と対話することがどんなことなのか、少し分かるような気がします。
私は60歳を迎えた頃、右膝に鈍痛が出て、右足をかばう歩き方になっていました。
かといって、病院に行っても「歳ですね」と言われるのがオチだと思い、一週間に一度の割合で整体院に通いだしました。
施術をうけた当日は気持ちがいいのですが、それが続くのも2〜3日で、一週間たった頃にはもとに戻ります。
「私はこれからずーっと この痛みと一緒に生活していくしかないなー。もうヒールのある靴もはけない!」と気持ちが沈んでしまいました。当時はこの痛みがなくなることは想像できませんでした。
そのころ、偶然にインターネットで「ロルフィング」というものがあるのを知りました。 初めて聞く言葉で、その説明に依ると、「筋膜リリースをして、身体の全体統合をはかる」????
さっぱり意味がわからないし、それに、施術代金も整体に比べて高額だったので、一度だけ試しで受けてみて、自分に合わなければ、やめたらいいわと思いました。
そして、一回目を受けてみた印象は、よくわからないけど悪くはなさそうと思ったので、少し続けて様子を見ることにしました。
整体院のように悪い膝にさわることがまったくないので、内心これでいいのかな?という疑問が頭をかすめましたが、そのうち、息をするのが楽になり、体全体がなんとなくスムーズになり、歩くのに力がいらなく、気持ちも楽になり、そうしていつのまにか、膝はまったく痛くなくなっていました。
また、自分がこれまで自身の体に、全く注意を向けずにすごしてきたな~と、深く認識しました。
というのが、ロルフィングは、ただドテっとベッドに寝ているのではなく、何度も歩いてみたり、感じたりすることを促されます。
それが、私が自分の身体と向き合い、そして結果的には、心と真正面から向き合うきっかけをつくってくれました。
現在、私は、70歳です。この10年間、つかずはなれずの間隔で、ロルフィングとはつながっています。
私は現在身体に悪いところはないので、ロルフィングは必要ないとも考えられるのですが、今は心が滞ってきたなと思ったときに受けています。
変に聞こえるかもしれませんが、セッションを受けると、身体の安定感と柔軟さがよみがえると同時に、心にも安定感という変化が生じてくるのです。
これは受けてみないとわからないところかもしれませんが。
忍さんは 「心が滞っているなと感じる時というのは、自分では体は悪くないと思っていても、身体にも、何かしらの影響が出ているのです。」とおっしゃいました。
この言葉をきいて、ここまで心と体が表裏一体だったとは、と目から鱗がおちるようでした。
セッションを受ける前の心の状態が「なにか嫌なことが起こったらこまるな~」と漠然と思っている状態としたら、受けた後は「なにが起こっても大丈夫、というより、何が起こるか などまったく気にならない状態」になります。
自然に大きな安心感が、心の底からわきあがってくるのです。私が言っている、心の滞りがなくなった状態です。
ロルフィングのセッションを受けて、深い呼吸に自信がついたおかげで、それまで苦手意識があった、歌の教室に通う決心をしました。66歳でした。
技術面はさておき、発声練習で、声がよく出ている、とほめられております。
そうして、一年に一度の発表会の舞台で、ヒールのある靴をはいて、ソロを披露しています。
何もできなかった時を思えば、夢のようです。
また、今年の春から、これもはじめての水彩画を習いだしました。
そして、年齢を言うと、「若いですね~」といわれ、同じ年齢の人より、元気で若くみられるようです。
絵も人生に花をそえてくれるといいなと思っております。
人より下手だったらはずかしいな~とか、年だからやめておこう、という発想は、今はどこかに行ってしまいました。
それも、こころの滞りが少なくなったおかげでしょう。
以前は、劣等感いっぱいの人間だったのですが、現在は、人の思惑に左右される必要はない、という思いが自然に湧くし、それを躊躇せず、行為に移すことができるようになりました。