17年目

 

この3月で、開業して17年目に入りました。

これまで来てくださった方々のおかげだなと、改めて感謝の思いが浮かびます。

ありがとうございました。

 

アメリカでのロルファー養成トレーニングコースでは、17年くらいの経験を持ったロルファーが講師を務めてくれました。

長い経験があるベテランだなという目で見ながら、色々と質問したのを思い出します。

 

今、自分がそれくらいのキャリアになっているのだと思うと、不思議な気持ちです。

こんな感覚を持ちながら僕らに話してくれていたのでしょうか。

そして、こういった内容を伝えるのは、なかなか難しかっただろうなと思ったりします。

 

今でも、新しい気づきがある毎日です。

それでも、トレーニングコース中や、開業当初とくらべると、自分の中に大きな違いがあるのを実感します。

 

例えば、ロルフィングを受けて頂いている方の身体の変化を、視覚だけではなく、様々な感覚を通して気づくようになってきました。

こんな風に感じ、気づくことができるのかという、面白さと不思議さを感じる毎日です。

 

今後も、それが多様になり、広く、深くなっていくのだろうなと思うと、とても楽しみです。

どんな視点になれるのか、どんな感覚に会えるのか、大きな可能性を感じます。

 

また、僕自身の、心身のさまざまなところが良くなってきたのにも気づきます。 

楽に立つ。

背筋を伸ばして座る。

深呼吸する。

肩の力を抜く。

落ち着いて、ほっとする。

そんなことが、僕には本当に難しく、日常生活でも、セッションをする上でも大きな悩みでした。

 

それがより良い状態に変化し続けています。

まだまだ伸びしろがあると思えるのが、とても嬉しいことです。

 

自分自身の、心身の変化。

そして、ロルフィングのセッションを受けられた方々の、心身の変化。

それを見る機会を重ねた分だけ、どなたにも大きな可能性があることを信頼できるようになりました。

 

すんなりと出来ず、試行錯誤しながら、少しずつ、小さな手がかりを、積み重ねてきた16年です。

だからこそ、上手く出来なかったり、悩んだりしている方々に、お伝えできる情報が蓄積されてきたとも思うのです。

 

それを皆さんと共有し、心地のよい心身で生きるための手助けとなれば、本当に嬉しいことです。

そして、そんな状態の方が増え、より優しい世の中になっていくことを願っています。

 

17年目も、よろしくお願いします。

 

あけましておめでとうございますin2021

 

あけましておめでとうございます。

 

色々と考えさせられる年初ですが、これまで同様に、地に足をつけて、手の届く範囲で、できることを続けていきたいと思います。

そして、皆さんが心身ともに健康に過ごしていけるために、何らかのお手伝いができると嬉しいです。

少しでも、より良い方向に進むように。

 

今年もよろしくお願いします。

 

2020年、ありがとうございました

 

昨年末には思いもしなかったような2020年になりました。

そんな中でも、セッションやワークショップに来てくださった方々、本当にありがとうございました。

 

個人的に、今年の残念だった出来事。

この145年、ほぼ毎日のようにランチでお世話になってきた、ご近所のびお亭さんが、37年と1週間の歴史に幕を下ろされたことです。

 

身体のことを考えた、安全で新鮮な食材で作られた、本当に美味しいランチでした。

どんな体調でも美味しく食べられて、本当にありがたかったです。

 

加えて、スタッフさん達も素敵でした。

初めて逆上がりができた子供の動画に、大きく拍手をして喜んで頂いたことや、さまざまなケーキをお願いして作って頂いたことなど。

良い思い出が沢山です。

 

僕の心身の健康は、びお亭さんに支えてもらっていたのだなと、改めて感謝しています。

もちろん、僕だけでなく、多くの常連さん達にもそんな存在だったのでしょうね。

びお亭の皆さん、長い間、ありがとうございました。

 

来年について。

しばらくは現状のような状況が続いていくのだろうと思います。

 

そんな中だからこそ、心身の健康を保ちながら、穏やかに毎日を過ごすことが、より大切になるだろうと感じています。

そのためのお手伝いができるように、そして、少しでも良いセッションができるように、今後も精進したいと思っています。

 

改めて、今年一年ありがとうございました。

来年もまた、よろしくお願いします。

 

1年ぶりの滋賀・大津ワークショップ

 

11月初めに、滋賀・大津でワークショップを開催しました。

本来は4月に予定していたものです。

 

今回、注意しながらも行うことができて良かったです。

ご参加くださった方、本当にありがとうございました。

 

今年は特別な状況にあり、心身共に、緊張しやすい条件にあると思います。

ワークショップで、その緊張を少しでも和らげることができたら、と考えていました。

 

深く、らくに呼吸し、落ち着きを取り戻すこと。

穏やかさや、静けさを感じること。

そういったことに意識を向けることを、一番注意して進めました。

 

その結果として、身体の楽さや軽さを感じた方。

姿勢の変化や、歩き方の違いに気づいた方。

それぞれの方なりの体験があったと思います。

 

穏やかさや静けさを感じることが、身体に影響する。

その逆もそう。

 

ほんのちょっとした感じかたの変化も、ちゃんとした違いになる。

それを体感し、少しでも何かに生かして頂けるなら、嬉しいことです。

 

次は、来年の春に開催できたらなと思っています。

今回、はっきり感じられなかった方、また体験してみて下さい。

回を重ねることで、だんだんと見えてくることがあります。

 

良い感覚を楽しんで頂けた方も、ぜひ。

また新たな感覚が現れると思います。

 

琵琶湖畔で、京都とはまた違った雰囲気で、気持ちの良い時間でした。

ありがとうございました。

次回もまた、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

 

空(くう)が有る感覚

 

空の感覚、空間の感覚、スペース感覚があるかどうか。

これは、動き方や姿勢に大きな影響を与えるようです。

 

セッションに来て頂いてる方々は実感があると思います。

何も無いのではなく、空が有る感じです。

 

ロルフィングを始めてから年を重ねるごとに、その感覚の大切さが感じられるようになってきました。

 

空の感じ、スペース感覚、広がり

それが感じられた時に、身体に変化が生まれます。

 

柔らかさのための安定

 

リラックスしたい。

硬い身体を柔らかくしたい。

「力を抜いて」と言われるが、やり方が分からない。

 

そんな思いで運動やストレッチをしたり、力を抜く練習をしたりしている方は多いのではないかと思います。

僕自身もそうでした。

 

どうにかして力を抜きたい、柔らかくしたいということばかり考えていたのを覚えています。

その時には、なぜ硬くなっているのかについて考える余裕がありませんでした。

 

必要があって、硬さがある。

今はそういう設定になっている。

そんな考え方にはならなかったのです。

 

身体のある部分が硬くなる理由の一つに、十分な安定がないことが挙げられます。

ある状態の時、特定の部分を硬くしないと、うまく動けなかったり、バランスが取れなかったりするのです。

 

ですから、その硬さのおかげで、ある程度の身体の機能を保っていられると言うこともできます。

本当はありがたいことなのだと思えてきますね。

 

そう考えてみると、柔らかさを取り戻すには、身体が硬くならなくてもよい条件を揃えていけばよい。

そんな風に言えるのではないでしょうか。

 

そして、その条件の一つが、身体に十分な安定があることだと言えます。

 

柔らかさやリラックス。

それは、やみくもに力を抜こうとすることではなく、身体に安定をもたらすことから生まれてくるようです。

 

問いかけ

 

問いかけて、そのままにしておく。

そんな感覚でいることには、身体の緊張を和らげる可能性が含まれているように思います。

 

問いに対して、僕らは、すぐに、はっきりとした答えを求めてしまいがちではないでしょうか。

そして、そんな態度の時、身体には緊張感が広がりやすいように感じます。

 

ロルフィングのセッションでは、身体のある部分に意識を向けてみたり、新たなイメージを投げかけてみたりします。

それが、問いかけです。

 

そして、その結果どうなるのか、身体に現れる変化を観察してみます。

自分の望む答えを探すのではなく。

 

そんな態度で、問いかけを繰り返していくと、少しずつ、違いが分かってくることでしょう。

自分の答えにこだわっている時と、そうでない時の、身体感覚の違いが。

 

問いかけて、待つ。

自分の答えを、ひとまず横に置いてみる。

そのままにして、しばらく心配しない。

 

日常においても、そんな感覚や態度で生きられると良いなと思っています。

 

自分の言葉からの解放

 

何気なく使う言葉のなかに、自分なりの決めごとがあります。

それに気づくことからも、変化が始まります。

 

例えば、腰という言葉。

ほとんどの方がご存知の言葉ですね。

 

ただし、この言葉が何を意味するのかは、人によって違いがあります。

骨盤をイメージする人や、股関節辺りを含める人、または腰椎(背骨)だけを思い浮かべる人もいるでしょう。

人それぞれの、自分の思っている腰があるのです。

 

また、その言葉には、腰はこんな風に動くものだという考えや経験、イメージも付いています。

意識的なレベルでも、無意識のレベルでも。

 

腰という言葉を考えた時、自分の腰が自動的に現れ、そこから話がスタートしている。

そのように考えてみてはいかがでしょうか。

 

そして、その自分の腰にある決めごとが、気づかないうちに、動き方や姿勢にも大きく影響を与えている。

そんな仕組みになっているようです。

 

ロルフィングのセッションでは、自分の言葉が持つ癖が見えてきます。

思うともなく思っていたことが分かってきます。

 

そうすると、少しずつ自分の言葉からの解放が起きてくるでしょう。

その時、姿勢や動き、身体感覚にも違いがうまれることが感じられると思います。

 

自分の言葉の持つ意味が変わり、その言葉から浮かぶイメージが変わった時、変化が起きる。

そんな仕組みがあるとしたら、どうでしょう。

とても大きな、変化の可能性を感じられませんか?

 

感覚を追いかけない

 

はっきりとした感覚を追いかける。

自分の望む感覚を一生懸命に探す。

その結果、緊張が高まり、身体を縮めてしまう。

ロルフィングのセッション中に、よく起きることです。

 

ロルファーとして関わっている側からは、その変化がよく分かります。

呼吸が浅くなり、窮屈さが広がっていくからです。

 

一生懸命に何かをやろうと考えている時。

一つのことに集中し過ぎている時。

自分の心身に起きている苦しさを感じにくくなるようです。

 

僕自身にもよく起きることです。

追いかける状態から離れることができたら、何が起きていたかが分かります。

それまでは、特に何とも感じないのが不思議だなと、いつも思うのですが。

 

ロルフィングのセッションで、心身に目を向ける機会を重ねていくと、少しずつ分かってくるでしょう。

「ちゃんとやろうと頑張って、緊張していたのか」と。

 

追いかけている時と、そうでない時の違いに気づく練習をしていきませんか。

セッションの中で、切り替わる瞬間をお伝えしたり、その前後の違いを体感してもらったりしています。

そんなことを繰り返していくと、どなたでも分かるようになっていくでしょう。

 

求めている内容が何であれ、どのような在り方でそれを求めているのか?

どんな内容のことであれ、何かをしている時に、どのような感覚が心身に広がっているのか?

その点に注意を払うようになってきます。

 

そうなると、長く続いてきた心身の問題や苦しさの正体が見え始めることでしょう。

軽やかに生きるための手がかりと共に。

 

生活パターンが変化することで

 

4月に予定していた滋賀・大津でのワークショップは延期となりました。

参加を希望して下さっていた方、申し訳ありませんでした。

落ち着いた環境で、改めて皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

また、よろしくお願いします。

 

このような状況ですから、ほとんどの方に、外出が減ったり、活動が少なくなったりといった変化があるのではないかと思います。

これまでと同じパターンで生活を送ることはできないですね。

それは、結果として、新しい生活習慣で生きていると言うこともできます。

 

習慣を変えるのは、なかなか難しいことです。

それが期せずして起きていると言えますね。

その変化を、新しい視点を手にする良い機会としている方も多いのではないでしょうか。

 

例えば、時間に余裕ができたことで、これまでは時間に追われている感じの毎日だったのだなと気づく。

または、普通だと思っていた日常は、とても貴重なことだったと分かった、など。

変化には、気づきを促す力があると思います。

 

そして、こういう時は、身体の感覚に目を向けるのにも良いタイミングだと考えることができます。

 

活動量が少なくなり、習慣による動き方、身体の使い方を繰り返すことが減っている。

また、いつもとは違う気持ちで過ごすことにより、身体のコンディションが変わっている。

そんな条件が、新しい感覚に気づきやすくしてくれるように感じます。

 

普段よりも、少しだけ深く、落ち着いた感覚を味わえるのに気づく。

あるいは、身体の奥の方に細やかな動きを感じられる。

そんな、心地の良い感覚に気づく可能性があります。

 

反対に、普段よりも心身の緊張感がはっきり分かる。

また、呼吸が浅くなっているのが気になる。

そういった、一見望ましくない感覚の存在に気づくこともあるでしょう。

 

しかし、それがどんな内容であれ 気づくことができたという意味では、価値があると言えると思うのです。

いつもとは違う状況で過ごす毎日。

この時を、気づきを深めるという機会として過ごしてみるのも良いのではないでしょうか。