姿勢が悪いと周りから指摘され、気にしている。
また、肩凝り、腰痛、頭痛の原因であると思われる姿勢をなんとかしたい。
そのように、姿勢に悩み、ロルフィングを受けてみようと思われる方は多いです。
僕もそのうちの一人でした。
どうやっても思うような姿勢になれないことに疲れきっていました。
しかし、姿勢を考える時、「良い姿勢とはどのようなものか?」という、なんとなく分かっているようで、実はよく分かってない問題が出てきます。
何をもって良い姿勢とするのか。
顎を引いていることか、背中がまっすぐに伸びていることか、肩を下げ、胸をはっていることなのか…
形の上では、様々な表現方法があると思います。
僕もロルフィングの視点を持つまでは、姿勢を形のことだと考えていました。
ここに変化の手がかりがあります。
ロルフィングでは、「良い姿勢の時、身体は重力と調和している」と考えています。
常に身体が対応し続けている、この「重力」との関係から姿勢を考えてみることが、ロルフィングの大きな特徴なのです。
重力と調和したバランスになっていくと、身体は無理な力を使わず、楽に動けるようになります。
そんな時、身体は伸びやかになって、いわゆる良い姿勢になっていくのです。
形だけでなく、機能が良いかどうか。これがとても大事なポイントです。
そういう理由もあり、ロルフィングセッションにおいては、頭で考える正しさより、身体の感じる楽さ、心地良さを尊重することを心がけています。
皆さんも、立っている時や歩いている時に、スムーズで楽かどうか、良い感じがあるか、心地良さを味わっているかどうかを観察してみて下さい。
もしそれが感じられてないとすると、重力と調和した、自然な動きではない可能性があります。
楽であるということは、わざと力を抜いてしまうことではありません。
身体のバランスが良くなり、重力と調和すると、安定が生まれ、力まなくてもよい状態が現れるのです。
健康でありたいという思いから、良い姿勢になろうと考える方が多いと思います。
しかし、「正しい姿勢、良い姿勢になりたい」と考え、頑張ることが身体を固くしてしまい、健康で心地よい身体になるという、本来の目的から離れる結果を引き起こしている場合がよくあります。
以前の僕が、形だけの良い姿勢にこだわり、苦しくなっていても、「もっと頑張って良くならなければ」「正しい姿勢を早く手に入れなければ」と思い詰めて、心身の調子を崩してしまったように。
良い姿勢の時は、身体は楽に、効率よく動いている。
動きやすく、楽な身体の時、伸びやかになり、姿勢が良くなっていく。
身体には、そんな仕組みがあるようです。
自分の身体で感じてみないと、人によっては、とても共存するとは思えない、納得しにくい内容だと思います。
頭でっかちだった僕の心身も、なかなか納得してくれませんでした。
少しづつ変化していくと、それが感じられるようになります。
そして、僕に限らず、ロルフィングを重ねる皆さんもまた、同じように変化され、納得されていくのを、日々目の当たりにしています。
「楽に、心地良さを感じながら生きていても大丈夫」という安心感。
「いつも頑張っていないと姿勢が悪くなってしまうわけではない」という解放感。
これがロルフィングで体感してもらいたいと願っていることです。