16年目

 

今日38日で開業して16年目になります。

結構な年数になったな、というのが今の気持ちです。

 

ロルフィングを受け、興味を持ち、ロルファーになってみたいと思い始めたのが、20年くらい前のこと。

そこから、トレーニングコースに行くための様々な準備をしながらも、行くことを決めきれない自分がいたことを思い出します。

 

もちろん、仕事として成り立つのかという部分での迷いもありました。

ただ、当時の僕にとって一番の問題は別にありました。

「本当にロルフィングには、学び、そして職業にするだけの価値があるのか?」

それが分からなかったのです。

 

そんなこともあり、心身に関する様々な本を読んでみたり、ロルフィング以外のことをしながら、あれこれ考えて過ごす時間が何年か続きました。

しかし、やはり勉強したいという思いが強くなって、ロルフィングのトレーニングコースに参加し、今につながっています。

 

「あの時点でいくら考えても分かる訳はないよな」と、当時のことを振り返ります。

その頃の僕は、頭でっかちで生きていたので、考えたら分かると思っていたようです。

だから考えて結論を出そうと頑張っていました。

 

「体験しなければ分からないことがある」

「考えても分からないことがある」

今ならそれが分かるのですが。

 

16年目の今、ロルフィングを始めた頃と比べると、かなり違った感覚や視点を使ってセッションをしています。

経験が増えるにつれ、感じられる情報量が増え、見え方も大きく変わってきました。

 

より多くの情報から判断している感じです。

初めの頃には全く感じられなかった多くの情報から。

 

考えすぎて不安になり、ためらいそうになる自分をなだめながら、トレーニングコースに参加することを決め、開業してから16年目の今。

今の身体感覚や、心身の仕組みへの理解があれば、ロルフィングに学ぶ価値があるのかどうかという点においては全く迷わないでしょう。

 

そう実感できるようになるために、今のような視点や意識を持てるようになるために、これまでの15年間があったとも言えます。

 

今のように感じながら生きていられること。

自分に自信を持てず、自分の感じることを信じられずに生きていた僕にとって、これは本当に大きな変化です。

 

「自分にもこんな感覚があるのか」

「こんなことが感じられ、分かるようになるのか」

続けている中で、そういった驚きに出会うことができます。

 

「身体が変化するときは、こんなことが起きているのか」

「良い変化が起きる時は、こんな感覚が広がるのか」

新しく見えてくる現象を観察し、理解していける楽しさがあります。

 

どなたでも、それを感じられるようになると思います。

それを皆さんと共有し、人の心身に備わっている変化する力に気づいてもらいたい。

そして、心地の良い身体になり、穏やかに毎日を過ごすためのお手伝いをしたい。

 

16年目も、そんな思いを持ってロルフィングのセッションをしています。

引き続き、よろしくお願いします。

 

40代女性

 

忍先生 こんにちは。

無事に2泊3日の山伏体験から帰ってきました。

 

前日に重力に調和した歩き方を練習して挑んだので、要所要所でロルフィングが活かされた気がしました。

お陰で、坐骨神経痛や腰椎ヘルニアが痛むこともなく、膝が痛くなることも全くなくて、快適に山歩きが出来ました。

 

ここ半年位、特に運動もしていなのに、3日間、人について山歩きが出来た事はありがたかったです。

普段、硬い床や畳で寝るとき、膝をまっすぐ伸ばして仰向けで寝ると、お尻が浮いて腰が痛くなります。

 

寝袋で寝たのですが、1日目は少し痛くて膝を立てて寝ました。

2日目は、膝をまっすぐ伸ばして寝ても腰が痛くならず、普通に寝る事が出来ました。

重力に調和した歩き方、動きを山歩き中ずっとせざるを得ない状況だったので、反対に身体にはよかったのでしょうか!?

 

身体は疲労しているはずなのに・・・。

よくわかりませんが、私の身体にとっては、よかった様です。

 

それから、「逆らわない」これに助けられた気がします。

滑って転んだ時、抵抗しないで転ぶ事が出来たので、筋を傷める事はありませんでした。

 

今までなら、転ぶ事を避けようと、変に力を入れたり、踏ん張ったりしていましたが、受け入れる?受け止める?事をロルフィングで学んでいたので、後になって、捻挫など回避する事が出来ていたんだ~と感じました。

 

ロルフィングでは、身体感覚を大切にされていますが、聴覚、視覚等五感・感覚の1つが使えなくなったら、思考を使わなければ、他の感覚が敏感になり、反対にとても動きやすくなるという事も体験しました。

すごく面白い感覚でした。

 

他にも色々と感じたり気づいたりした事がありますが、ひとまず無事に帰れましたので、ご報告まで。

ありがとうございました。

 

生きているという現象

 

今年も、四国で自然農をされている方から、はっさくを購入しました。

甘みと酸味のバランスが良く、みずみずしくて本当に美味しいので、毎年喜んで頂いています。

皮をむき眺めていると、きれいだなと感じ、そして、このようなものが木になるという不思議さを考えます。

 

オーガニックファームで働いていた頃に「作物が育つには、種が生きていることが大前提なのだ」ということに、はっとしたのを思い出します。

言葉では知っていたはずが、本当には考えていなかったし、そう感じていなかったのだと気づいた瞬間でした。

 

ロルフィングという、身体を扱う仕事をするにあたっても、これはとても大切な視点だと思っています。

つい、当たり前すぎて忘れがちです。

生きているから動けるし、変化も起きるということを。

 

「身体のこの部分がいきいきしてきた」

「身体が生きているのを感じる」

「私は生きているんだと感じた」

 

セッション中に、こんなコメントをお聞きすることが多いです。

身体感覚から、生きていると実感することが起きるようです。

 

僕らの奥に、生きているという不思議な現象があること。

まずは生きている身体があってのこと。

 

その気づきと感覚の中に生まれる種が、新しい身体との付き合い方へと育っていくように思います。

一息ついて、生きている感覚に意識を向けてみませんか。

 

あけましておめでとうございます

 

あけましておめでとうございます。

新しい年を迎えることができるのは、やはり嬉しいものですね。 

 

皆さんのどんな変化に立ち合せて頂けるのか、また、どんな方と新しく出会うことができるのか、とても楽しみです。

もちろん、自分自身の変化も。

 

今年もよろしくお願いします。

幸せな一年となりますように。

 

2019年、ありがとうございました

 

今年もありがとうございました。

 

これまで通り、今年も継続してお会いできた方々。

回を重ねるほど、年数が増えるほど、皆さんがより良く変化されていくのを感じています。

問いかけた分だけのことはあるのだなと、今年もその思いを強くしました。

 

今年初めてお会いし、新たな可能性を感じて頂けた方々。

これが、より良い展開へのきっかけになったと、後に振り返って頂ける時がくると嬉しいです。

 

それから、ワークショップでのグループワーク、もしくは、このブログでお会いできた方々。

来年は、個人セッションという形でお会いできるのを楽しみにしています。

新しい視点を手にし、何が見え、どう変わるのか、ご自分の身体で体験してみませんか。

 

僕自身もまた、セッションの回数を重ねることができた分だけ、気付きも増え、見え方、感じ方、とらえ方が、また少し変わってきました。

そして、皆さんと言葉のやり取りをする中で、皆さんの言葉から、または自分の発した言葉から、気付かされることも沢山ありました。

 

そんな機会を頂いたこと、感謝しています。

改めて、ありがとうございました。

 

それらを、皆さんに、より良い形で還元できるように心がけていきたいと思っています。

では、皆さんよいお年を。

来年もまた、よろしくお願いします。

 

使えるまでポイントを貯める

 

身体に意識を向けてみる。

身体感覚に注意を払う。

普段との違いに気づいてみる。

今、何が起きているか感じてみる。

 

ロルフィングのセッションで、いつも試みて頂くことです。

はじめのうちは、少し分かりにくいかもしれません。

やってみても、はっきりとしたことが分からず、何にもならなかったと思うこともあるでしょう。

 

それでも、繰り返していると、少しづつ感じられるようになり、いずれはっきりと分かるようになります。

慣れてくるまで、回数が少し必要なのです。

 

それは、ある一定の量が貯まらないと使えないポイントカードの仕組みに似ている気がします。

1ポイントでは使えない。

でも、まずは1ポイントから貯め始める必要があります。

 

はっきりと分からなくても、とにかく一度身体に意識を向けてみる。

それは、少なくとも、1ポイントは貯めることになり、とても意味のあることなのです。

 

そして、ある一定の量に達した時に、その効果が現れてきます。

身体に起きている変化を感じ、違いが分かるようになるのです。

習い事や勉強など、全てに共通のプロセスでしょうね。

 

もちろん、できるだけ少ないポイントから使って頂けるように、あるいは、使える分まで早く貯まるように、ロルフィングのセッションでお手伝いをしたいと思っています。

そして、このように貯めたポイントが消えることはなく、ちゃんと増え続けていくようです。

ですから、安心して繰り返してみて下さい。

 

追悼・モニカ

 

ブラジル人ロルファーで、インストラクターだったモニカが亡くなったと知らされました。

僕のシドニーでのムーヴメントトレーニングコースで、講師を務めてくれたのがモニカです。

 

「教えるのがとても好きだ」と言っていた通り、ロルフィングを教えることに大きな情熱を持っていました。

彼女の講義は、ロルフィングの解釈をする上で、とても大きな助けになり、今の自分の理解の基礎になっていると思います。

安心して接することができるモニカには、折に触れ質問しましたが、いつも丁寧に答えてくれました。

 

トレーニングの講師として日本に来た時は、僕のセッションルームで、個人セッションをお願いしたこともあります。

モニカや他のブラジル人ロルファー達と、京都や奈良を散策したことは、楽しい思い出です。

 

「今はまだ感じられないだろうけど、あなたの胸の中には広大なスペースが広がっている。もっと広く、深く、大きい。そう感じていいのよ。」

トレーニングコースの終わり近くに、そんなニュアンスの言葉をかけてくれました。

緊張を強く抱えていた僕に、大事な何かを伝えようとしてくれたのでしょう。

 

それから10年以上経ちますが、あの時の言葉が、大きな方向性を与えてくれたと思うのです。

当時とは違う、胸の広がりやスペースを感じている自分がいます。

そこには、もっと色々な意味が含まれていたことにも気づきながら。

その感覚を、とても大切なこととして、ロルフィングでお会いする方々に、日々お伝えしています。

 

素晴らしいロルファーだった彼女から、多くのロルファーが学び、多くの人が素晴らしいセッションを受けたことでしょう。

僕の中にある、モニカと接することで発見でき、伸ばすことができた部分。

それを、僕がお会いする方と共有していくことで、モニカの思いやエッセンスは生き続けていくのだと思います。

 

そういったことが、僕だけでなく、多くの人の中で起きていると思うと、モニカに「本当に素敵な人生を送ったね」と声をかけ、感謝の気持ちを伝えたい。

そんな思いが浮かんできます。

 

ありがとう、モニカ。

心より感謝を込めて。

 

40代女性

 

忍先生のロルフィングに出会ったのは、神戸市民大学講座のワークショップでした。

ロルフィングをうけてみようと思ったのは、バレエの発表会を前に、「35歳過ぎてから始めたとはいえ、10年以上もバレエの練習をしていて、この動きしか出来ないのは、何か身体のつかい方が間違っているのでは?」と疑問を持ったからです。

もっとも、サボる事も多々ありましたが。

それに、仕事が忙しくなってきて、このままでは、今までのように、途中で高熱を出して、数日寝込んでしまう心配があったからです。

 

神戸から京都まで、少々遠いですが、同じロルフィングを受けるなら忍先生がいいよ、という事で、発表会前に行きました。

ロルフィングをうけたのは大正解だった様で、バレエの発表会はうまくいきました。

 

もちろん技術力は、未熟以外の何ものでもありませんが、気持ちよく身体を動かす事が出来、何より自分の身体の動きに納得し、心が満足出来ました。

また、バレエに関しては素人の夫や妹も、毎回私の踊りを見て爆笑していたのが、「今までと全然動きが違う!よかったよ~」と、初めてほめてくれました。(私のバレエは、踊りと言うにはあまりにお粗末で、動きと言われます)

 

それから、身体が緩まったら、心も緩まる?

緊張の種類が変わったというか、頑張った後や、気を張って仕事をした後などに、高熱を出すことなく、意外に元気に、忙しい日々をやり過ごせるようになったのは驚きでした。

 

あと、今までだったら、こうしなければ、こうするのが当たり前的に選択して行動していましたが、最近は、自分の身体や気持ちを、大事に尊重する事を覚えました。

なので、同じ選択をするにしても、こうしなければ、で選択するより、自分の気持ちを大事にした上で、納得して選択し行動すると、イヤだなと思う方を選択しても、疲労度などが少なくてとても楽です。

 

ロルフィングは、ボディーワークなので、理論が腑に落ちやすい気もします。

施術中、歩いてみた感覚を聞かれた時、「般若心経がわかった気がしました」と言ったら、先生にすごく同意をしてもらえ面白かったです。

 

ただ、この「気がする」が大事な様で、わかった!となると、自分で枠や概念を作り、そこからまた縛りができるのでちょっと違うみたいです。

あくまで、気がする、とか問いかけで止めて、明確な答えを出さない・探しに行かない・・・。

 

結局、バレエは私には向いていない様な気がするし、身体を無理に動かしている様な気がして、今はやめています。

それでも体力が落ちる事なく、元気でいられるので、なんとも不思議な世界のロルフィングです。

 

ワークショップ@滋賀の感想

 

「こんなに深い呼吸ができたのは初めて」

「身体が軽くなった」

「手を置いているだけで、これほどの変化があるなんて不思議」

「初めての感覚」

「腰痛(肩こり)が、とても楽になった」

「言葉にできない不思議な体験だった」

「当日は昼からも身体が動きやすく気持ちいい1日を過ごせた」

「こんなに自分の身体を意識したのは初めて」

 

先日の滋賀・大津でのワークショップに参加された方々から、上記のような感想を頂きました。

 

多くの方にとって、ほとんど馴染みのない方法だったと思います。

それでも皆さん、分からないなりに、落ち着いてトライして下さりました。

 

ほんの少しのことで身体が変わる。

それを体感して頂けたようで良かったなと思っています。

 

僕自身が、慢性的な痛みや緊張感から解放される過程で、特に役に立ったこと。

ロルフィングを通して、それをお伝えできると良いなという思いがあります。

 

ほんの少し、視点を変えたり、感じ方を変えたり、意識を変えたりするだけのことが、大きな違いにつながっていく。

そんな方法を、少しでも多くの方と共有し、心地よく生きる人が増えるなら、とても嬉しいことです。

 

今、手の届く感覚の中に、ちゃんと変化への入り口があります。

それを体験し、日常生活の中で、ご自身の身体で納得していって下さい。

 

滋賀・大津でのワークショップ

 

久しぶりのワークショップを、初めての滋賀で開催しました。

会場は大津市の勤労福祉センターです。

 

今回は、滋賀でフィットネスのインストラクターをされているお二人が、声をかけて下さった25名の方にご参加頂きました。

 

身体の感覚に目を向け、変化に気づくこと。

感じ方やイメージが変化すると、実際に身体にも変化が現れること。

落ち着きを取り戻し、楽に呼吸する身体になると、姿勢や動きが良くなっていくこと。

 

そういったことを、実際に身体で感じ、体験する機会にして頂きたいなと思っていました。

僕自身が、長く続いていた身体の痛みや緊張の改善に、大きく役立ったと感じているからです。

 

「なんとかなるのかもしれない」

「こんな少しのことだけでも身体は変わる」

「何かが少し変わるだけで、どうしてもできなかったことが、すんなりできることがある」

 

そんなことを感じ、今、手の届く感覚の中に、変わるための手がかりがあるようだと安心すること。

それは、身体の深いところにある緊張を解くための、大切な一歩になると考えています。

今回の体験が、そのきっかけになれば良いなと思っていました。

 

ワークショップは、2人組みになり、僕の言葉の誘導で進める形です。

受け手の方と、手で身体に触れる方に分かれ、交互に行いました。

 

「歩き方が変わった」

「肩が軽くなった」

「腰が楽になった」

終わった後には、そんな感想を含め、それぞれの方なりの気付きがあったことをお聞きすることができました。

 

初めての皆さんも、身体に意識を向け、感覚に気付くことを上手にされていました。

個人セッションに来て頂いている方々は、ペアワークで触れる側になることで、ご自身で体験されていたことを、新たな視点で捉えることができたようです。

 

琵琶湖が見える素敵な場所で、落ち着きのある皆さんの在り方のおかげで、良い空気感でのワークショップになったなと思います。

個人セッションとは違う感覚があり、僕にも楽しい時間となりました。

ご参加下さった方、ありがとうございました。

 

また近いうちに開催できたらと思っています。

ワークショップに興味のある方、いつでも声をかけて下さい。