これまでは感覚のうちに入ってなかった感覚に気付くこと。
ロルフィングセッションでは、これを練習していきます。
それが、健康に生きていくことや、動きの改善に大きく役立つからです。
「痛みがあるか無いか」を例に、考えてみましょう。
痛みは、感覚として分かりやすいので、そこに問題があると認識できます。
反対に、痛みがない部分は、問題がないと思いがちです。
痛みを感じない時は、身体に注意を払わないことが多いのではないでしょうか。
しかしながら、同じ「痛みが無い」場合でも色々な可能性があります。
例えば「とても調子が良く」痛みがない場合と、「なんとなく調子が悪いけど」痛みがない場合。
「痛みが有るか無いか」だけで判断すると、痛みがないから問題ないと言えます。
でも、これらは同じコンディションではないですね。
なんとなく調子が悪い時は、痛みが出る状態に限りなく近い「痛くない」かもしれません。
もし、それに気づいたならば、無理をしないで休む選択もできるのです。
それにより、体調を崩すことを回避できるとしたら、体調管理という点で、とても大きな意味がありますね。
また、動作の改善という視点でも考えてみましょう。
やり慣れたことは、普段の慣れた感覚で、いつものように繰り返していることが多いと思います。
いつもと同じように見えるのです。
だから、そこに何か新しい動きが現れていても気づきにくいのです。
本当は、姿勢や歩き方が変わっていても、それは目に映りません。
一見いつもと同じ動きの中にある、これまでは感じられてなかった感覚に気づくこと。
それができると、新しい動き方のイメージが浮かんだり、無意識に力を入れていたことに気づいたりします。
情報量が増えてくることで、選択肢が増え、可能性が大きく広がります。
このような理由から、これまでは感じられてなかった感覚に気づくことには、大きな意味があるのです。
そして、そうなるには、これまでとは違う目盛りの物差しを持つ必要があります。
心身ともに落ち着いた状態で、身体に注意を向けてみる。
すると、かすかに、いつもとは違う何かが感じられます。
ロルフィングのセッションでは、そうやって、目盛りの小さな物差しを手にする練習をしています。
自分の物差しで測ることができる感覚を探すかわりに、物差しの目盛りを小さくしてみる。
すると、すでに起きていた変化が見えてきます。
そこに、変わっていくための大きなヒントがあります。