「地に足がつく」という言葉。
身体と心の感覚で、それがどういうことか、味わってみませんか。
ロルフィングの10シリーズでは、2回目のセッションで足を扱います。
初期の頃は、1回目に行われていたようです。
それくらいロルフィングで、足は重要視されています。
足が、本来の機能を果たし、身体の重さが、足から地面にスムーズに伝わっている時、身体は安定します。
そして、安心して、足に体重を預けられるとき、呼吸も深くなり、落ち着きます。
膝も、腰も、肩も、首も、頭も、足の上にのっています。
足は、身体の土台となる部分です。
そういう視点からは、身体全体のバランスにとって、足がいかに大事なのかが分かると思います。
足首を捻挫しやすい。
足裏を均等につけない。
靴底の減りが偏っている。
足が冷える。
O脚である。
土踏まずのアーチがなく、扁平足だ。
足首がかたい。
足に関しての悩みはさまざまです。
いずれも、足の本来の機能が発揮されていない状態だと言えます。
ロルフィングでは、これまで眠っていた足の機能が目覚めるように、問いかけます。
足と足首の仕組みを知り、これまでとは違う視点で見て、感じる。
何となくこういうものだと思い、感じ慣れてきた足のイメージから、少し離れてみる。
そんなことが、実は効果的なのです。
知っていたはずの、感じ慣れていたはずの足が違って見えてきます。
すると、動きも変わってきます。
足の中にクッションが入っている感じになる。
足の中の小さな骨が、色々と動いているのを感じられる。
かかとに重心が置けるようになる。
また、歩くのに、つま先を使えるようになり、脚がちゃんと伸ばせるようになる。
足首の関節の動きを感じ、ちゃんと使えるようになる。
上半身が楽になる。
そんな変化が現れてきます。
変化した足は柔らかくなり、いろいろな動きが起きているのが感じられます。
それでいて、しっかりして、安定していると感じられるのです。
柔らかくて、それでいて、しっかりしているという、一緒にあるはずはないと思っていた感覚の組み合わせ。
それを感じることに、驚く方は多いです。
しっかりしようと力を入れ、足を固くしていると、出会えない感覚だと思います。
安定と固定は違いますね。
免震構造のある建物をイメージしてみて下さい。
さまざまな動きがあるから、揺れを吸収し、倒れないのです。
足が安定して地面についているとき、身体は安定します。
安定した身体には、静かな落ち着きと安心感が広がります。
「地に足がつく」という言葉の意味を、そんな身体になってから、改めて感じてみて下さい。
それまでとは違う「地に足がつく」に出会っていることでしょう。