「さっきよりも身体の重さを感じていて、身体は軽く感じ、楽に動ける」
この文章、一見すると矛盾してみえますが、ロルフィングのセッションで、多くの方が話される内容です。
ロルフィングでは「重力と調和し、楽に動ける身体」を求めていきます。
その過程で、感じられることの一つが、上記のような言葉になります。
「重さがあるのに軽いというのはおかしいけど」と、ご自分で言われながら。
重力と調和したバランスの良い身体では、身体の各部分が、適切な位置に並び始めます。
いわゆる「良い姿勢」に近付いていきます。
「頭が、楽に胴体の上にのって、首が楽になり、目線が高くなった」
「上半身が、骨盤の上にちゃんとのってくれるので、無理なく上体を起こせ、姿勢が良く感じられる」
変化していくと、このような感想が増えます。
正しいと思っている姿勢を、力を入れて作っている時とは違う、別の感覚の存在。
それが感じられてきます。
身体の奥にある筋肉群(インナーマッスル)には、重さが伝わることで、本来の機能を発揮する仕組みがあるようです。
ですから、重力が流れる身体になると、身体の深層にある、姿勢を安定させるための筋肉群がちゃんと働いてくれるようになります。
そうなると、姿勢を維持するために、無理な力を使う必要が減っていきます。
本来の、健康な身体のコンディションに近付きます。
当然ですが、そんな時は動きの効率がよく、燃費もよくなっていくのです。
正しい姿勢を維持するために、ずっと力を入れて頑張らなくても大丈夫。
この理解は、僕にとって本当に大きな解放で、毎日が楽になりました。
それは、ロルフィングを受けられている多くの方にも、共通することです。
身体が楽なことは、やっぱり嬉しいことです。
重力と仲良く、調和しながら、心地のよい身体で毎日を生きるのか。
それとも、重力と格闘しながら日々を過ごしていくのか。
一生を通して考えてみると、とても大きな差になるのが感じられてきますね。
重さの感覚を味わい、いつもとは違う身体になってみる。
すると、この言葉の意味が、身体を通して分かってくることでしょう。
「身体の重さを感じられるので、身体が軽く感じられ、楽に動ける」
もしかすると、「重さ」と「重たさ」の違いに気付けるかもしれません。
言葉から生まれている縛りに気付き、そこから自由になっていけること。
これもまた、ロルフィングを面白いものにする大きな要素となっています。