静かになる

 

先日、「ぐるぐるそだつながや」さんで、ドキュメンタリー映画「ガイアシンフォニー(地球交響曲)」シリーズ上映会の最後となる、第八番を観てきました。

いつ観ても、何番を観ても、心が深いところから解放され、何とも言えない静寂と心地良さが広がります。

 

長野に住み、ロルフィングを学びにアメリカへ行こうか、やめようかと迷っていた25年前。

その頃に手にした、映画「ガイアシンフォニー」の監督・龍村さんのエッセイ、そして映画に登場する魅力的な人たちの言葉は、ロルフィングを学ぶ決心をする上で、大きな助けとなりました。

 

穏やかな空気をまとって、優しさや思いやりを持つこと、心で感じることの大切さを語り、自然や心身の持つ力を信頼して生きる登場人物たちの姿に、強く心を惹かれました。

あんな在り方に近づきたい、そして、それはどんな感覚で生きることなのか、感じられるようになりたいと思ったのです。

 

不安から生まれる、否定的な思いに負けそうになった時は、本を読み返し、登場人物の言葉を反芻し、自分の心が静まるのを待ち、ロルフィングを学ぶ思いを保ちました。

そんなことを繰り返し…今に至ります。

当時の僕にとって、頭の中に響いてくる、不安をあおる騒がしい声を静かにする方法が、彼らの言葉を読み、聴くことでした。

 

静かになることの大切さ。

今回の上映会のシリーズに参加し、それを再認識しました。

 

人には、それぞれ、気持ちが落ち着き、リラックスできる何かがあると思います。

それらを通して、心身を静かにし、コンディションを整えることは、本当に大切だと思います。

本来の、健全な自分を思い出すために。

 

ロルフィングもまた、本来の、落ち着いた自分を取り戻す機会となり得るものです。

身体が重力と調和し、緊張が和らぐと、深く呼吸できる身体になります。

そんな時は、不安をあおるような内面の声が静まるのです。

 

「頭がすっきりしてクリアになる」

「気持ちが落ち着き、軽くなる」

「楽しい気分になる」

ロルフィングのセッション後には、このような心理的な変化に関する感想をよくお聞きします。

 

不安や怖れ、不満や憤りの声は、世の中にも、自分の心の中にも、大きく響いてきます。

注意していないと、自動的に、それを聞いて受け入れ、翻弄されて生きてしまいがちです。

 

そういった声ではなく、本来の僕らの中にある、穏やかで、思いやりのある声を聞き、そちらを選択する。

そんな習慣を身につける必要があるのではないかと思います。

 

ロルフィングのセッションでは、それを訓練していることにもなっています。

静かになり、落ち着きを感じ、それから動いてみる、考えてみる、ということを練習するからです。

それが、身体の緊張を和らげ、動きや姿勢の改善をもたらすことも、感じられるようになるでしょう。

 

多くの方が、当初とは全く違う優しい表情になり、緊張が和らいだ身体で立ち、歩かれるようになっていきます。

すぐに、はっきりと実感される場合も、ゆっくり理解される場合もあります。

それでも、確実に変化されます。

 

静かになること。

自分を静かにすること。

 

これは、心身の健康に、本当に大きな力を与えてくれます。

ぜひ、ご一緒に練習しましょう。

 

地球交響曲(ガイアシンフォニー)第三番

 

映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第三番」の上映会に参加しました。

出演者の1人が、主にアラスカで活動されていた写真家の星野道夫さんです。

30年程前、大学生の頃に読んだ星野さんの何冊かの本は、卒業後にバックパッカーとして1年間ユーラシアを旅するという僕の選択に力を与えてくれました。

 

アメリカのボルダーにあるロルフィングの学校には、ロルファー養成トレーニングコースの時期に合わせて、全米各地からも人が集まります。

最後のユニット3を学ぶ時、アラスカからアメリカに入国し、僕と同じユニット1、2で学んだアラスカ在住の友人宅に泊めてもらいました。

広々とした湖に面した、素敵な家でした。

事故に遭ったヘラジカの肉をみんなで分けるという話を聞く時や、近くの川に上ってきたというサーモンの料理を頂く時、やっぱりアラスカだなと感じたのを思い出します。

 

そのクラスメートの隣の家に住む(と言っても結構歩く距離でしたが)幼なじみの男性が、星野道夫さんと懇意にされていたという写真家でした。

そして、同時期にロルフィングを学びに来ていた日本の友人が、星野さんの本を彼にプレゼントするというのに同行しました。

 

素敵なログハウスの中で、彼が「ミチオ…」と言い、手に取った本を微笑みながら眺めている姿が印象に残っています。

アラスカに来て、思いがけないところで、少しだけ星野さんに触れることができた気がして嬉しい時間でした。

 

帰り際、彼がプレゼントしてくれたポストカードの1枚は、ガイアシンフォニー第二番の出演者であるダライ・ラマのものでした。

そういう時は、普段思っているよりも世界はつながっているんだなという感覚になります。

 

久しぶりに観た第三番、やはり心に響きました。

どの出演者の言葉にも、心にある穏やかさや静けさ、優しさを感じます。

 

大きな全体の中の一部として自分をとらえ、大きな時間の流れを感じながら生きることは、僕らが穏やかに、優しく、今をより良く生きる助けとなるのだと改めて思いました。

そして、星野さんの本を読みながら、将来の在り方を模索していた学生の頃の気持ちも懐かしく思い出しました。

 

上映中に、穏やかな喜びや解放感が心の中に広がった理由のひとつは、当時よりも言葉の意味が深く感じられ、そして少しづつではあっても、こう在れたらいいなと思っていた方向に進んでいるのが分かったからだと思います。

ロルフィングという仕事の中で、そして日常の中で、自分が本当に大事にしたいと考えていることを、周りの人達と共有できるようになりたいと、改めて感じた上映会でした。

素晴らしい映画なので、機会があれば是非観て下さい。

 

 

ロルフィング体験会情報

4/28(日) 足をテーマとしたロルフィング体験会

会場:アスニー山科・和室

時間:13時15分〜15時45分 (受付12時50分〜)

参加費:3,000円

 

個人セッションで行うロルフィングそのもの(10シリーズ)ではないのですが、ロルフィングを知る機会としてご活用下さい。

2人ペアとなり、軽く身体に触れてもらう手を助けとして、身体に意識を向ける練習をします。

ロルフィングがお役に立ちそうな方など、お誘い合わせの上でご参加頂けたら嬉しいです。

 

メール、LINE公式アカウント、Instagramなどからお申し込み下さい。

LINE公式アカウントhttps://lin.ee/LsjHxLf

Instagram https://www.instagram.com/rolfing_in_kyoto?igsh=MWp4MmhvNXllZ3F5Yw%3D%3D&utm_source=qr

 

今後のアスニー山科での体験会日程とテーマ

5/26(日)肩

6/22(土)膝

7/27(土)股関節

8/31(土)骨盤

9/29(日)手・腕・肘

10/27(日)背骨

11月以降の予定は決まり次第お知らせします。

 

ガイアシンフォニー第九番

 

大阪平野の「ぐるぐるそだつ長屋」さんで、ガイアシンフォニー第九番の上映会がありました。

 

今から25年近く前、長野県で働きながら、ロルフィングを勉強したいと思いつつ、心を決められないで過ごしていた時期がありました。

ある日、古本屋で龍村仁監督のエッセイに出会いました。

それを読み「やっぱり、こっちの世界を生きたい」と心が決まり、そこからロルフィングの勉強するための準備を本格的に始め、今に至ります。

 

エッセイから入り、ガイアシンフォニー(地球交響曲)という映画を知りました。

これまでの第一番から第八番、どれも心に力を与えてくれましたが、今回の第九番もまた本当に素晴らしいものでした。

「コバケン」さんのベートーヴェンの第九への思い、それに向き合う姿勢に圧倒されました。

そして、それにより変わっていく演奏にも。

 

このガイアシンフォニー第九番が、龍村監督の遺作となります。

145年前の京都の上映会後に、今の仕事をするきっかけを頂いた感謝をお伝えしたいと、挨拶させて頂いた時の気さくで軽やかなご様子を思い出しながら、そしてロルフィングに関わる人生に、本当に大きな影響を与えて下さったことへ感謝しながらの鑑賞でした。

 

上映会の後のシェア会での参加者のお話も心に響くもので、素敵な会場の雰囲気とともに良い時間となりました。

ぜひ多くの方に観て頂きたいと思います。