ロルファーとしての年数を重ねるうちに、腑に落ちてくる言葉があります。
以前の講義で聞いた内容や、昔読んだ本の中の言葉だったりします。
そのうちの一つが、ある講師の方の言葉です。
「Less is better 〜少ない方が良い」
セッションにおいて、少ないくらいが良い。
多過ぎるのは、良くない。
そういう意味での言葉だったと記憶しています。
「なるほど」と思って聞いていましたが、もっと「なるほど」となってきました。
ロルフィングのセッションに限った話ではないなと分かってきたからです。
なんとなく、たくさんの方が良いと思いがちな自分がいます。
しっかりと変化を感じたい。
もっと良くしたい。
できるだけ、伸ばしたい。
より大きく変化したい。
なるべく早く、はっきりと、自分の思う結果を手にしたい。
そのような思いが、全体のバランスや調和という点からは、望ましくない結果になることが多いなと感じるようになってきました。
自分自身で身体をケアする時や、日常生活において、もちろんセッション中でも、それを実感します。
自分では良かれと思い、頑張ってみたことが、身体に負担をかけ過ぎてしまう。
結果として、バランスを崩し、身体を痛めてしまう。
そんなことになるようです。
だから、その時の自分の感覚では少ないと感じる。
または、大した変化だとは思えない。
それくらいの感覚の中で、落ち着いて進めていくことが、実はスムーズな変化に大切なのではないかと思うようになりました。
「自分には分からないだけで、それが適度な変化の量なのだろうな」
そう思うようにしてみると、少しずつ、感覚もより細やかになっていき、それが少ない訳ではないと理解できるようになっていきます。
自分には、少ししか変化していない、と見えている。
でも本当は、「少ししか」ではなく「適量」かもしれない。
そんな観点を少し試してみませんか。
変化への入り口が、少し見えてくると思います。
「少し」が「少し」では無いと分かってきたこと。
それが、ロルフィングの経験を重ねてきた中で、大きく変化してきたことの一つです。