全体で一つとしての身体

 

「身体が全体で一つのものとして動いている」

当たり前のことですが、改めて意識するだけの意味があると思います。

 

ほとんどの方が、言葉では、その意味が分かるでしょう。

ただ「それを感じているか」となると、話が違ってくるのではないでしょうか。

 

身体がひとつながりだと感じられるとき、それを感じていない時とは別の感覚に包まれます。

全体で動くほど、身体の機能はより良く発揮されるのです。

 

ロルフィングでは「全体性」という視点を、特に重要だと考えています。

身体は、全体で一つのものとして機能する。

だから、ある部分の問題は、部分の問題とは片付けられない。

そういう視点です。

 

ロルフィングの内容の一つが「筋膜」のバランスを整えることです。

筋膜は、身体全体に広がり、さまざまなものを包み、それらを一つにつなぎ合わせているものです。

この筋膜の存在を知ると、身体が具体的に、ひとつながりだということがイメージしやすくなります。

ある筋膜の部分が固くなると、程度の差はあれ、筋膜全体に影響があるのです。

 

また、姿勢の改善を考える時、身体全体での良いバランスが必要になります。

例えば、足に十分な安定や支えがない時、上半身はバランスをとるために緊張します。

それが理由で肩に力が入ってしまう。

そうなると、肩だけの問題だとは言えなくなりますね。

 

そして、心と身体のつながりという視点も大切です。

不安や怖さがある時、身体が固くなるのは皆さん経験があるでしょう。

心も、身体も含めて、全体で一つの存在だということ。

それらは影響し合うものなのです。

 

「身体がつながっているのが分かる」

「知っていたはずだけど、こんな風に感じたことはなかった」

「身体がバラバラではないと感じる」

「意識や心の状態で、身体が変わるのが感じられた」

ロルフィングのセッションで、よく聞かれる感想です。

 

筋膜のバランスを整え、身体の感覚への気付きを高め、こころの状態にも目を向けてみること。

ロルフィングin京都では、そういった時間を大切にしています。

 

それらを繰り返していくと、全体で一つとして動く身体が少しずつ分かってきます。

変わるごとに、ひとつながりだと感じてなかった自分が見えてきます。

そして、つながりが増えるほど、楽に動ける身体に出会います。

 

部分を集めた身体から、つながりと調和のある身体へ。

それは、自分では知らなかった、本来の身体との出会いになります。

 

風通しの良い身体

 

「風通しが良い感じになった」

「すっとした」

「身体が透明になったように感じる」

「身体の境界がぼやけている」

 

ロルフィングのセッションで、身体が変化した後の、多くの方に共通する感想です。

 

「身体があるけど、ない感じ」

「輪郭がぼんやりしている」

「身体がふわっとして、広がっている」

「身体が軽くなった」

 

これらもまた、多くの方が感じられる感覚です。

そして「だから楽だ」とコメントされます。

 

ロルフィングのセッションで、このような、普段とは違う身体感覚を体験して頂けることが多いです。

そして、それが変化への手がかりとなるのです。

 

このように感じる身体で生きたらどうなるか?

身体の痛みや硬さ、しんどさはどうなるか?

姿勢はどう改善されるのか?

 

身体の持つ、新たな可能性をみてみませんか。

 

目盛りの小さな物差しを手にする

 

これまでは感覚のうちに入ってなかった感覚に気付くこと。

ロルフィングセッションでは、これを練習していきます。

それが、健康に生きていくことや、動きの改善に大きく役立つからです。

 

「痛みがあるか無いか」を例に、考えてみましょう。

 

痛みは、感覚として分かりやすいので、そこに問題があると認識できます。

反対に、痛みがない部分は、問題がないと思いがちです。

痛みを感じない時は、身体に注意を払わないことが多いのではないでしょうか。

 

しかしながら、同じ「痛みが無い」場合でも色々な可能性があります。

例えば「とても調子が良く」痛みがない場合と、「なんとなく調子が悪いけど」痛みがない場合。

 

「痛みが有るか無いか」だけで判断すると、痛みがないから問題ないと言えます。

でも、これらは同じコンディションではないですね。

 

なんとなく調子が悪い時は、痛みが出る状態に限りなく近い「痛くない」かもしれません。

もし、それに気づいたならば、無理をしないで休む選択もできるのです。

それにより、体調を崩すことを回避できるとしたら、体調管理という点で、とても大きな意味がありますね。

 

また、動作の改善という視点でも考えてみましょう。

 

やり慣れたことは、普段の慣れた感覚で、いつものように繰り返していることが多いと思います。

いつもと同じように見えるのです。

 

だから、そこに何か新しい動きが現れていても気づきにくいのです。

本当は、姿勢や歩き方が変わっていても、それは目に映りません。

 

一見いつもと同じ動きの中にある、これまでは感じられてなかった感覚に気づくこと。

それができると、新しい動き方のイメージが浮かんだり、無意識に力を入れていたことに気づいたりします。

情報量が増えてくることで、選択肢が増え、可能性が大きく広がります。

 

このような理由から、これまでは感じられてなかった感覚に気づくことには、大きな意味があるのです。

そして、そうなるには、これまでとは違う目盛りの物差しを持つ必要があります。

 

心身ともに落ち着いた状態で、身体に注意を向けてみる。

すると、かすかに、いつもとは違う何かが感じられます。

ロルフィングのセッションでは、そうやって、目盛りの小さな物差しを手にする練習をしています。

 

自分の物差しで測ることができる感覚を探すかわりに、物差しの目盛りを小さくしてみる。

すると、すでに起きていた変化が見えてきます。

そこに、変わっていくための大きなヒントがあります。