プロフィール
□1973年生まれ。
立命館大学国際関係学部卒業。
□卒業後1年間アジア・ヨーロッパを旅行。
帰国後、整体院で4年半勤務。
□アメリカ・コロラド州ボルダーにあるロルフ研究所
(The Rolf Institute)でロルフィングを学び、 2004年、正式にロルファー™として認定される。
□2007年、オーストラリア・シドニーで ロルフ・ムーヴメント™認定コースを修了。
□クレニオセイクラル(頭蓋仙骨)ワーク、 ソースポイントセラピー(SourcePoint Therapy®)プラクティショナー
□妻、2人の子供の4人家族
忍 英彦
(Shinobi Hidehiko)
◆公認ロルファー™(Certfied Rolfer™)
◆ロルフ・ムーブメント™・プラクティショナー(Rolf・Movement™ Practitioner)
ロルフィングに出会うまで
思うように動かないし、慢性的な痛みのある身体に苛立ってしまう。
力を抜いた方が良いと知っているのに、どうやっても肩の力が抜けない。
また、人と一緒にいると緊張してしまい、楽にいられない。身構えて、力が入ってしまう。
自分の性格や思いぐせが嫌で、努力しても変わらず、やっぱり自分は駄目なんだと落ち込む。
長い間、僕はそのような悩みを抱え、自分への否定的な思い、生きづらさがなんとかならないかと葛藤していました。
そして、このことが、僕にロルファーという職業を与えてくれたことになります。
大学卒業後、アジア、ヨーロッパを1年間旅しました。
その経験の中で、何か生き方の答えのようなものが見つかってくれないかという期待もありながら。
色々な気づきがありましたが、働く意味が自分なりに納得できたことが、大きな収穫の一つでした。
旅先では、沢山の親切や思いやりに触れ、ご馳走様してもらうことも幾度となくありました。
そんな時、周りの旅仲間たちは、料理や絵や音楽など、それぞれが得意なことでお返しをしていたのです。
その時に痛感しました。自分には感謝を表現する方法が何もないと。
そして、自分の思いを表現する方法として仕事があるのかもしれないと思えたのです。
同時に、これまで生きてきた中で、実は多くのものを受け取っていたことにも気付きました。
そこから、思いやりや優しさを循環させていくような生き方ができないだろうかと考え始めました。
ロルフィングとの出会い
そんな思いを持ちながら帰国した後、整体院で4年半勤めます。
身体の形、筋肉や骨のバランスが変わると、色々な症状も変わっていくのを目の当たりにしながら、さまざまな本を読んで過ごしました。
そうして知識が増えるにつれ、やはり思うように動いてくれない自分の身体への苛立ちも増え、同時に、痛みや違和感に悩むことも増えていきました。
自分なりに努力しましたが、上手くいかず落ち込み、どう生きていきたいのかを改めて考え直していくことになります。
退職後、ニュージーランドのオーガニックファームや、日本の自然農に触れる中で、農的生活に惹かれ、その可能性を探った時期もありました。
その中で、生きているものに直接触れ、生命という不思議なものを考える機会を持てたことは、とても貴重な経験でした。
また、心の葛藤をなんとかしたいと、瞑想コースに参加していたのも、この時期のことです。
常に付きまとう落ち着きのない心や不安感、自分に対する否定的な思いを、なんとか変えて楽になりたいという願いからの行動でした。
この辺りから、心と身体のつながりの実感が深まったのを覚えています。
そんな中でも、自分の心身の変化を実感できたロルフィングの体験は、特に大きな意味を持つものとなります。
初回の後、どう頑張っても出来なかったはずの、楽に立てる感覚がありました。
どこかがゆるんで、息をするのが楽になり、気持ちが穏やかになっている感覚も。
長い間、一生懸命考え、努力しても出来なかったことが、ほんの少しのはたらきかけで、簡単に変わってしまうこともあるのだと驚かされた瞬間でした。
そして、心の中に 「やっぱり」という言葉が浮かんできたのを覚えています。
自分の努力の足りなさや、駄目さが問題ではないと分かっていた、自分の中の心の声だったように思います。
これまでの経験を通して考えてきたことと、自分の求めていることとを繋ぐ何かがこの感覚の中にある。
どうしようもないと諦めていた自分が変わり、生きやすくなるかもしれない。
そんな思いを頼りに、アメリカのコロラド州ボルダーでの、ロルファー養成トレーニングコースに参加し、現在は、学生時代を過ごし、なじみのあった関西・京都で、ロルファーとして働いています。
ロルフィングへの思い
これまでの体験と、ロルファーとして過ごしてきた経験をまとめ、皆さんと共有できるのは嬉しいことです。
お伝えしたいのは、もし過去の自分が知っていたら助けになり、もう少し生きやすくなっただろうと思う事柄です。
それは、長い間悩んできたことへの、現時点での自分なりの答えでもあります。
心身を固くして生きていた過去の自分に「大丈夫、手はあるから」と伝えたいような気持ちがあるのかもしれません。
落ち着いて、自然体でいる時、身体は楽になり、伸びやかに動くでしょう。
そして、本来備わっている優しさや思いやりを素直に表現し、自分にも周りにも優しくなっていくでしょう。
一人ひとりが、身体を緊張させる心身の習慣から自由になり、軽やかに幸せに生きること。
それは、自分のためだけでなく、周りの人たち、そして世の中全体のために最も大切なことではないかと思います。
ロルフィングを通じて、そうなっていくためのお手伝いができることを楽しみにしています。